今月の読書(2023年)

12月の読書

12月の読書メーター読んだ本の数:11読んだページ数:2923夏のサンタクロース: フィンランドのお話集 (岩波少年文庫 259)の感想フィンランド特有の風土の上で、動物、妖精たちと人びとが活躍する13の物語。森の小屋で、ひとりのおばあさんが糸を紡いでいる。…

11月の読書

11月の読書メーター読んだ本の数:10読んだページ数:2798最後の語り部の感想たった一人で巨大なものに立ち向かう主人公の味方は、昔、聞かされた膨大な「物語」と、幸せな日々の記憶。彼女の思い出に何度も温められながら、何かがおかしいと考える人に、立…

10月の読書

10月の読書メーター読んだ本の数:13読んだページ数:2586こぶたのむぎわらぼうし (はじめてよむどうわ)の感想七匹がおそろいの麦わら帽子にそれぞれの目印をつけるが、末っ子はなかなか決まらなくて……。こぶたのみつけためじるしがいいなあ、と思うのは、出…

9月の読書

9月の読書メーター読んだ本の数:10読んだページ数:1473ある犬の飼い主の一日 (新潮クレスト・ブックス)の感想当たり前の一日は、何かが起きそうな(実際起きても起きなくても)小さなディテールのつみかさねで出来ている。当たり前の一日は、いつのことでも…

8月の読書

8月の読書メーター読んだ本の数:9読んだページ数:1977ク スクップ オルシペ―私の一代の話 (1983年)の感想繰り返される差別に対しては、泣き言や恨みごとをほとんど書かない。心に残るのは、アイヌとして生まれ、アイヌとして生きた人の誇りと矜持だ。「ア…

7月の読書

7月の読書メーター読んだ本の数:13絵本力:SNS時代の子育てと保育の感想理論編と実践編。ことに幼稚園などで読まれる絵本が、子どもたちの集団遊びや生活のなかで、大きく膨らんだり変化したりしていく様子に引き込まれた。本を読んであげる、というより…

6月の読書

6月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:3667注文の多い料理店 (角川文庫)の感想大自然の掟、人ならぬ者の倫理感が、人の世界の良し悪しや情と重ならないことを思い知らされる、それだからこその畏れも湧いてくる、ダイナミックで幻想的な世界。 …

5月の読書

5月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:3700駱駝祥子―らくだのシアンツ (岩波文庫)の感想彼から奪っていった連中は、身勝手だが悪意の塊というわけではなかった。あの人もこの人もちらちらと弱みが見え隠れして彼(彼女)もまた、犠牲者だったの…

4月の読書

4月の読書メーター読んだ本の数:16読んだページ数:4562ペイントの感想何かしらの枠を想定してその内側に閉じこもるところから生まれる不愉快なモノが背景にある。親子関係。実の親に育てられないことは不幸とはいえない。実の親に育てられることが必ずしも…

3月の読書

3月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:3500こびん (らいおんbooks)の感想時間をかけて手紙が手許に届く。大切に運ばれてきた手紙の、紙に書かれた文字の間から、「たいせつなもの」があふれてくる。こんな手紙を受け取ったら、どんなにうれしい…

2月の読書

2月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:2947ルイジンニョ少年: ブラジルをたずねての感想下宿先やんちゃ坊主ルイジンニョと過ごしたエイコさんのブラジル。おおらかで明るい町の匂いを吸い込み、少年のしたたかさを楽しむ。物語はカルナバルの場…

1月の読書

1月の読書メーター読んだ本の数:6読んだページ数:1684幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)の感想茫然とするような暗闇が目のまえに広がる、暗闇の底に落ちていくような思いを味わうのだけれど、これは、一つの、姿を変えた希望なのだろう。希望、といって…