『きゅっきゅっきゅっ』 林明子

 

 

(孫といっしょに楽しんだ絵本)
坊や(嬢ちゃんかな)が、ぬいぐるみたちと一緒にスープを食べています。
みんなの前のスープのお皿の大きさが、それぞれのからだの大きさにあっているのが楽しいな。
次々にスープをこぼすぬいぐるみたちを、ぼうやは、「きゅっきゅっきゅっ」とタオルで拭いてあげるのだけれど、実は、坊や自身もこぼしているのがおかしいのだ。
お母さんがいつも拭いてくれるのね。いつもしてもらっているように、ほかの子たちにもしてあげているのだね。
坊やのふっくりしたからだも、ころんとした手足も、ちょっとしたしぐさの一生懸命ぶりも、まるごと赤ちゃんで、かわいいったらない。


繰り返される「ふいて あげるね きゅっ きゅっ きゅっ」が楽しくて、私の膝の上で絵本に見入っている子も、「きゅっ きゅっ きゅっ」と口ずさみながら、左右に首を振っている。
最後の「はい、ごちそうさま」まで読むと、両手を合わせてぺこりと頭をさげるそのしぐさが、ババ馬鹿だけど、かわいくて仕方がない。


さて、これから絵本を読み始めるよ、というところで、表紙のお皿に手を伸ばして、ちょんとつまむ手つきで、そのままこちらのお口に入れる真似をすることもある。「おいしいおいしい」というと嬉しそうに笑う。
そんなことを繰り返して、本読みは、始まる前におしまいになってしまうこともある。
それが、ババ馬鹿だけど、かわいくて仕方がない。