6月の読書

6月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1551

ジュディ・モード、大学にいく!―ジュディ・モードとなかまたち〈8〉ジュディ・モード、大学にいく!―ジュディ・モードとなかまたち〈8〉感想
大学ってどんなところ?大学生ってどんなふうに毎日を過ごしているの?大学生のクロエに算数を教わりに行ったジュディは大学に夢中になってしまう。この本はキャンパスガイドみたい。ジュディじゃなくても大学に夢中になってしまいそう。「大学かぶれ」とレッテルを張られてしまうジュディだけど、お話はとびきりの嬉しい結末を用意している。認めてもらえるってうれしい。
読了日:06月29日 著者:メーガン マクドナルド
みすず 2018年 06 月号 [雑誌]みすず 2018年 06 月号 [雑誌]感想
児童文学評論家、繁内理恵さんの隔月連載『戦争と児童文学』第二回は『第八森の子どもたち』について。ことに障害をもつ「おねえちゃん」についての章が心に残る。本当に弱いものってどういうものだろうか。弱い・強いの基準って、思っていた通りのものだろうか。物語のなかで、朧ろに見えていた「おねえちゃん」の姿は、繁内さんの言葉で、ちゃんと見えるようになる。
読了日:06月27日 著者:
片手いっぱいの星片手いっぱいの星感想
作者の自伝的色彩の濃い作品とのこと。時代は1960年代のはじめごろ、政情不安定なダマスカス。「ぼく」の、揺らぐことない言葉への信頼には励まされる。その大元のところに素晴らしい友人たちがいる。タイトルの「片手いっぱいの星」って、友だちと言葉のことではないかしら。片手いっぱいの星は、どの星も明るく輝く。手の星を掲げて、暗がりで「ぼく」は道を探す。
読了日:06月23日 著者:ラフィク・シャミ
絵本を深く読む絵本を深く読む感想
気ままに読んできた絵本だけれど、時に、こういう深い読み解きに触れると、はっとする。好きな絵本がいっそう愛しくなったり、思いもしなかった読み方を教えられ、つくづくと見直したりしている。著者は「その後を自由な読み解きのまなざしを持って、追いかけ続けることを、わたしの終わらない旅の楽しみとしたい」と結んでいる。今は、遥かな場所で旅を続けておいでだろうか。
読了日:06月17日 著者:灰島 かり
緑の扉は夢の入口 (第一の夢の書)緑の扉は夢の入口 (第一の夢の書)感想
夢が現実よりもリアルに感じられる物語。この夢の世界の「廊下」に魅了されてしまった。沢山の廊下、なぞかけ。妖しい墓場での集まり。素敵な男子とのロマンス。近づくなとの警告は誘いの言葉か。夢の世界と現実の世界を行き来し、秘密を共有しながら、危ない冒険が始まっている。第一部で解決しなかったあれこれや、最後の「微笑み」が気になって、続きが楽しみだ。
読了日:06月13日 著者:ケルスティン・ギア
炉辺のこほろぎ (岩波文庫)炉辺のこほろぎ (岩波文庫)感想
炉と人とがいる光景が好きだ。炉のまわりで繰り広げられる人びとのいきいきした生活の物語は、ときどき、幻影にかわる。炉の妖精が見せる幻だろうか。人びとのいきいきとした表情と、命の気配のない(ような気がする)光景とが、混ざって、どれが幻なのかわからなくなる。幻影はもう幻影ではないような気がし始める。
読了日:06月12日 著者:ディケンズ
ヘンショーさんへの手紙 (あかね世界の文学シリーズ)ヘンショーさんへの手紙 (あかね世界の文学シリーズ)感想
この物語がことさらに好きだと思うのは、少年の変化が柔らかいと感じるからだ。どこにも無理がなくて、急でもなくて。作家ヘンショーさん宛ての、笑っちゃうほど不遜だったリーの手紙が、美しくなったのはいつからだったかしら。いつのまにか。大人になったら作家になりたいと願う12歳の子には、今何をしたらいいか、そのヒントをさりげなく教えてくれている。
読了日:06月07日 著者:ベバリイ・クリアリー
こどものとも 2018年 06 月号 [雑誌]こどものとも 2018年 06 月号 [雑誌]感想
安野光雅さんの絵本『しりとり』 実際にやってみると、安野光雅さんの「しりとり」って迷路みたいだな、と思う。言葉と絵の中で迷いながら、道をさがしていく感じが迷路に似ている。迷路って参加するのも楽しいけれど、作るのも楽しい。絵本からはみ出して、もっと巨大な迷路を作りたくなる。はみ出して遊ぶことはできても、安野光雅さんの絵をまねできないことは残念だなあ。
読了日:06月05日 著者:
イスラームから考えるイスラームから考える感想
難しい話ではないが、おもしろがって読んでいるうちに、自分の偏見や思いこみに気がついて、恥ずかしくなったり、反省したりした。イスラム教がわかるわけではない。わからなくていいのだと思う。簡単にわかるかもしれない、と考えること自体、怖ろしく失礼な話だとも思った。私に大切なものがあるように(たとえなくても)他の誰かの大切なものに敬意をもちたい、そう思った。
読了日:06月03日 著者:師岡カリーマ エルサムニー

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