『おうまさんしてー!』 三浦太郎

 

 

(孫と楽しんだ絵本)
お馬の絵本を見ていた子が立ち上がって、お父さんを呼ぶ。
「おとうさん
おうまさんしてー!」
「よーし のって のって」
おとうさんのおうまさんに乗ってパッカパッカと進んでいくと、くまさんに会った。
そして、そして……
最後の大きな見開きのページに、わあっと声をあげてしまう。


何度も繰り返す問答(?)の言葉は、不動の安定感を約束してくれる。
一方、ページを開けば次々にふくらんでいくものが、楽しい驚きを約束してくれる。
どちらも、期待どおりで、裏切られないうれしさ。


孫を膝にのせてこの絵本を読んでいると、膝の上で子どもはうふふと笑う。笑いながら、からだがパッカパッカと横揺れしている。
本をもってきて、大人の肩にむかって足を上げていることもある。
読んでほしいのかなー、それとも、おうまさんしてほしいのかなー、どっちかな。
どっちでもいいや。
読むことと遊ぶことの境界、ないんだね。
からだ全体で絵本を楽しんでいる。


本当は大人だって、おうまにのせてもらいたいよ。たまにでいいから。
……そんな気持ちに答えてもくれる、なんともすてきな絵本。