5月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:491
ちびトラとルージャの感想
大人も子どもも完璧な人なんてひとりもいない。転がり、擦れ、ぶつかったりへこんだり。固さやデコボコ加減、そこそこのみっともなさ、ごちゃごちゃがそのまま心地よい。人びとがやってきて腰を下ろしたくなるボレイコ家のテーブル。私にはこの物語がそのまま大きなテーブルだ。
読了日:05月30日 著者:マウゴジャタ ムシェロヴィチ
茗荷谷の猫の感想
舞台は時の流れが緩やかに感じる情緒ある下町。一途なこだわりの主人公たち。ほとんどが人生を終えている。その後どこでどうしていたのだろうと気になる。知りたいけれど、やはり知りたくない。目に浮かぶのはさまざまな色。人が去ってもなお残る色。とりわけて染井吉野の薄桃色。柘榴の実の透き通ったルビー色。「鮮やかですな」
読了日:05月12日 著者:木内 昇
みすず2020年04月号の感想
連載『戦争と児童文学』第11回「忘却と無関心の黙示録」(繁内理恵) 『片手の郵便配達人』について。黙示録のこと。ラストの残響から聞きとらなければならないもの。「パウゼヴァングの物語は自分の内にある、蓋をしておきたいものをこじあける。しかしその厳しさはパウゼヴァングの、今の、そして未来の子どもたちへの限りない愛情だ」
読了日:05月09日 著者:
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