『いっしょにいこう』 ルース・リップハーゲン

 

先日、二歳児といっしょに動物園にいきました。
4時間ほどの滞在時間で、見た動物はキリンとワラビーだけでした。
ほんとうはもっとたくさんの動物を見せたかったし、時間限定のイベントなどにも参加させたかった。喜ばせてやるぞ、と張り切っていたこちらの計画は空回り。
子は、道端に落ちている木の実や草の実を摘まんで集め、足元の虫の行方を見送り、からっぽのベビーカーを押してぐるぐる回り、おおいに喜び、満足していた。


この絵本。
かえるのパパが息子のコーディといっしょに、出掛けます。パパの楽しみにしていたコンサートがもうすぐ始まるのだ。
コーディは、みちみち、何が見えたといっては立ち止まり、さわってみて、ひろってみて、すぐに遊びの世界に入っていく。
時間に遅れそうで急いでいるパパは、その都度やきもきして、気が気じゃなくて……


最後は、予想していたし、やっぱりね、と思ったはずだけれど、読み終えたときには、思いがけないくらいに満たされていた。
子どもと過ごす時間は、なんて上等なんだろう。
こんな時間を犠牲にして急がなければならないほど大切な用事、ほんとうはどれほどあったかな。ともう一度考え直してみたい。