『ふしぎなにじ』 わたなべちなつ

 

本の最初のページには、「『かがみのえほん』を楽しむコツ」という注意書きがあって、
「左右のページが90度でむきあうまで本をひらき、絵を見ましょう」って書いてある。
だから、だいたい90度になるようにそっとページを開いて読み始める。


各見開きページの片側には、大小の丸い「かがみ」がついている。「かがみ」はひとつ、ふたつ、もっと……ときにはページ全体が「かがみ」になっている。
この「かがみ」にうつすのは、向かい合ったページの、七色の虹。
真っ黒な背景に、すっきりとした直線曲線で描かれた虹は、「かがみ」にうつすと、たちまち見え方が変わるのがちょっと不思議で、美しい。
形が変わる、それから、思いがけない動きやリズムが生まれる。
小さな子が、ちいさな科学(?)に出会う扉でもあるかもしれない。
なによりも、ほんとにきれいな絵本だ。90度に開いたときに見える虹が、いちばんきれいなのかもしれないけれど、ページをゆらゆらすると、また違うイメージが生まれて楽しい。

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孫は、めんめん(麺類)の本だと思っている。
きっといつか、ほんものの虹に出会おうね。