7月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2943ページ
ナイス数:191ナイス
虫とけものと家族たち (集英社文庫)
家族、隣人たち、ともに暮らす動物たち、鳥たち、虫たち・・・みんなまとめて大きなファミリーのようで、おおらかな喜びが湧き上がってくる。もっともっと読んでいたい、この家族の物語をずーっとずーっと読んでいたい。この続きがまだ二冊あることに感謝♪
読了日:07月29日 著者:ダレル
ムーミン谷の夏まつり
スナフキンがなかなかやってこない理由はそういうことだったのか。ムーミンパパが嘗てムーミン捨て子ホームを逃げ出した理由とだぶる。ちっちゃな決まりごとに囚われて、もっともっと大切な大きなことがないがしろになったら、誰も幸せではいられないよね。今度もまた不穏な出来事に翻弄されるムーミン一家ですが、それでも、生活を楽しみ、出会いを喜び、生きることを謳歌する姿にほっとします。表紙の絵にもなっている水の上の劇場が素敵でした。
読了日:07月25日 著者:トーベ・ヤンソン
原発のウソ (扶桑社新書)
あおることもなく、感情的になることもなく、科学者の言葉は冷静で明晰に事実だけを語ります。わたしはたぶん便利な生活に慣れてしまった。だけど、便利な生活と引き換えに幸福感を切り売りしてきた。なあなあで生きてきたし、不勉強であった。そのつけは大きい。せめて、子どもたちが未来に負わなければならない負荷をできるかぎり少なくするために、やれることをやっていく。
読了日:07月23日 著者:小出 裕章
アレクセイと泉のはなし
遠い祖先から受け継がれ、この体を流れ、子から孫へと受け継がれていくだろう、私の体の中を流れる血。アレクセイの泉から連想するのはそういうものでした。天地がひっくり返ってしまったとしても、わたしたちが過ごしてきた時間、わたしたちが築き上げてきたものは変わることがない。わたしたちがここにいることこそが奇跡の泉なのだ、と思う。
読了日:07月22日 著者:本橋 成一
ラスト ラン (カドカワ銀のさじシリーズ)
真っ赤なバイクのイコさん74歳、かっこいい。道はこの先だんだん細くなっていくってほんとうかい? 細くなるなら細くなれ。その道のまんなかを力いっぱいすすんでいく。朗らかに。やっぱりかっこいい。素敵だ。二人(?)とも。
読了日:07月21日 著者:角野 栄子
お伽草紙 (新潮文庫)
太宰治というフィルターを通して供された古い物語たちは、大人っぽくて、皮肉にねじれて、そこかしこに『人間失格』の葉ちゃんが顔をのぞかせているような気がした。なかで、「浦島さん」が一番心に残る。玉手箱の意味が好き。心に広々と広がっていく。
読了日:07月20日 著者:太宰 治
オン・ザ・ライン (SUPER! YA)
思いがけなく涙があふれてきたのは、置いてきたはずのたくさんの人たちが、置いてきた過去からあふれるように走りだしてきて、今、主人公の周りにいることがわかったから。これで第一セット終了。二セット目はどんな試合になるのだろう。今までとは違う世界が広がっているはず。もっともっと・・・ずうっと観戦していたい。
読了日:07月18日 著者:朽木 祥
レネット―金色の林檎
九年前のあの日、何もかもを置き去りにし、思い出を埋めるようにして、故郷を去った海歌たち。それが、何もかもを置き去りにして、村を出て(村は埋められ)故郷を失ったベラルーシの人々の姿と重なる。そう簡単に、再生なんてできないかもしれないけど、何かが芽を吹きはじめているのを感じています。
読了日:07月14日 著者:名木田 恵子
ふくろう女の美容室 (新潮クレスト・ブックス)
屈託なく幸福そうに見える人が、人知れず大きな悩みを抱えて苦しんでいることもあるように、逆に、誰が見ても孤独で不幸にしか見えない人が、(たぶん実際苦しいだろうけど)思いがけず訪れた芳醇な一瞬を、一粒一粒、首飾りのようにつなぎとめていることもあるのかもしれない。せつないけど・・・。
読了日:07月11日 著者:テス ギャラガー
チェルノブイリの祈り―未来の物語
「祈り」だった。「未来の物語」だった。二度と起こらないようにという。聞こえなかった声、聞く気もなかった声に、いま耳を傾けている。現実に起こってしまった。進行している。読めば読むほどに、ふつふつと脂汗が浮かび上がってくる。だけど、やっぱりこの本は祈りなのだ。わたしたちの祈りは、今日の日の一刻一刻。どんなに小さくても、「希望」を集めながら、未来につなげていく。
読了日:07月07日 著者:スベトラーナ・アレクシエービッチ
やさしいおうち (あさがく創作児童文学シリーズ2)
子どものときに、友だちのことを一途に思う時があったなら、その瞬間は大きな宝物だ。彼らの勇気やチームワークがまぶしくて、うらやましかった。やさしさって難しいね。どきどきして、はらはらして、ほこっとしたり、ほろりとしたり・・・けなげに友だちを思う子どもたちに、いーっぱい元気をもらいました。清々しい読後感♪
読了日:07月05日 著者:野原さちこ
夜は短し歩けよ乙女
いるわけない、と開き直れば開き直るほどに、ますます好きになるし、たまらなく愛おしくなってしまう人々。まるで知らない場所、存在感あやしすぎるのですが、不思議に懐かしくなってしまう町。何もかもひっくるめた、この本の雰囲気が好き。
読了日:07月03日 著者:森見 登美彦
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