『カメレオンのレオン つぎつぎとへんなこと』 岡田淳

 

カメレオンのレオンのシリーズ、一作目。
次々に起る「へんなこと」は、桜若葉小学校の中庭にある大きなクスノキから始まったのだ。
カメレオンのレオンって誰だろう。


「へんなこと」のはじまりは、一年一組のマコトが、授業中にトイレにいくため、静かな廊下を歩いていたら、後ろからペタペタと奇妙な足音がついてくる。振り向いたら……。


にぎやかな二年タナハシ学級の教室の後ろの教室から、に小さい風船が転がって入ってきた。小さい風船?「……小さくないよ、これ」


誰に言っても信じてもらえないような、当事者さえも自分が信じられないような、そういうへんなことがあちらでもこちらでも起こっていて、やがて、それが、学校中、それから町のなかにまで広がって行くのである。
びっくりさせられるけれど、ちょっと楽しくもある。奇想天外なイタズラかな。最後にケケケ……と笑っておしまいなるのもいいな。と思っていたら、事件も徐々にエスカレートしてきて、町をあげて大変なことになってきた。もうイタズラなんて言っていられない。
さて、いったいなにが起こっているのだろうか。


へんなことは解決した。へんなことが突拍子もないなら、解決の方法も(特に、失礼だから言えないことがあるから)おもしろい。
解決するのであるが、様々起こるへんなことのうち、ひとつだけ、ほかの事件とはちょっと毛色がちがうのが、ある。あれ、なんだったのだろう。
放課後の教室に忘れものをとりにきた四年生のアキラの前に現れた、侍の格好をしたヒキガエルのヒキザエモン。「サンダユウの悪だくみ」に備えて、巻物と刀をアキラに手渡そうとする。だけど、アキラはそれを笑い飛ばすのである。
ヒキザエモンが言うサンダユウというのが、あちこちで起こっている「へんなこと」の別名だろうかな、と思えば、ヒキザエモンは、「へんなこと」の外の人(?)だろう。
何者だったのかなあ。