『でんしゃ くるかな?』 きくちちき

 

(孫といっしょに楽しんだ絵本)
らいおん、ぞう、かば、きりん、りす……。みんなで電車を待っている。くるかな、くるかなって。
期待通りに電車がやってくると、「きた きた きた」と大はしゃぎ。両手をあげる。足もあげちゃう。ぴょーんと跳びあがったり。
去っていく電車に夢中で手をふる。ばいばーい。
そしてまた電車を待つ……
(気がつけば、私の横で絵本に見入る子どもが、手を挙げ、足をあげ、絵本の動物たちと同じしぐさをしている。)
赤い電車、青い電車、黄色い電車。
なんのこともなく繰り返す、繰り返す。
何がそんなにうれしいんだろうね。


私も、孫といっしょに駅に電車を見にいく。
電車がくる。手をたたいて、手を振って、ばいばーい。
ほんとに何がそんなにうれしいんだろうね。
「(のぼりもくだりも)いっちゃったよ、帰ろうか」
子どもは静かに首をふる。動かない。
次の電車が来るのは、だいたい四十分後だって……