『すいかのたね』 グレッグ・ピソーリ

 

すいかを食べるときは、エアコンの効いた部屋は似合わない。
できることなら、なるべく外気が行き来するような場所で、足の下には地面があったら、最高だ。
食べ方がへたくそでも気にしない。種なんか、豪快に遠くに飛ばして気にしない。
もう、すいかの季節も終わりだね。


すいかのたね。ぶどうのたね。みかんのたね。思わずごくんと飲み込んでしまった種のことを、ああ、お腹の中で芽が出て木になっちゃったらどうしよう、と本気で心配したのは、いったい幾つくらいのころだったかな。
まわりの大人は、こちらの半泣き顔を見て笑っていたよね。思い出しても、まったくひどい。
だから、笑わない大人になるはずだったけれど、絵本を見て、やっぱり、くすくす笑ってしまう。小さい子が真剣に悩んでいる顔はほんとにかわいくて……あ、ごめんなさい。


それにしても、丈夫な歯でばりばりすいかを食べるワニの子どもの豪快さはなんて気持ちがいいのだろう。
すいかは、こんな風に食べるものだよね。