『緑の扉は夢の入口』に続く、これは、第二の夢の書なのだ。
第一の夢の書で、一つの決着を見て、その後、リヴたちは夢の中で平和にデートを楽しんでいた。
練習の成果もあり、自分の姿を変えることも少しずつ上達してきたところだ。
あるとき、リヴは、夢の廊下で、「死の将軍」と名乗る謎の人物に出会う。
彼はいったい何者なのだろうか。
そして、そのころ、リヴの妹ミアが、夢遊病にかかる。
夜中に家の中を歩きまわり、それだけならまだしも、姉のリヴを枕で窒息させようとしたり、三階の窓から飛び降りようとしたり……
彼女の夢の中で何が起こっているのだろうか?
誰かがほかの誰かの夢を操作することができるなら恐ろしいことだ。
そもそも、誰かの夢の中に入っていく、ということ自体、悪意があろうとなかろうととんでもなくひどいことじゃないか。
相手がどんなに親しい人でも、自分の夢を覗かれるなんてこと、絶対に嫌だ。
第一の夢の書でのおなじみ豪華メンバーが揃ってリヴとともに動きだす。
前巻のおわりで、微笑みを浮かべつつ去っていったあの人も、あごが気の毒なことになったあの人も、当然(?)懲りていない。
前巻よりもさらにバージョンアップしたような彼らのやりとりに、後半のページの捗りの速いこと速いこと。
そのあげく、本番はこれからだって?
今までのは本番じゃなかったのか?
あっちの謀略も、こっちの悪だくみも、ほんの前座だった、とか?
ここで、まさか会うはずのない人に会ってしまうというびっくりもあるし、気が揉めることだ。
やっぱりこれから本番が始まるのかな。
「現実」の世界では、あちこちで、恋が育っている。恋が終わっている。
それぞれの事情に、やきもきしたり、微笑んだり。
その後の進展が楽しみだったり不安だったり。
謎のブロガーの正体(おおいに気になる)は、この巻でもわからず仕舞だったけれど、何でもお見通しの彼女(彼)がネタをどのようにして入手しているのかは、わかった。
第三の夢の書で正体が明かされるのが楽しみだ。
『緑の扉は夢の入口(第一の夢の書)』 ケルスティン・ギア - ぱせりの本の森
『黄色の扉は永遠の階(第三の夢の書)』 ケルスティン・ギア - ぱせりの本の森