12月の読書

2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1277ページ

ふたりふたり感想
土曜日の図書館の特別の空気が忘れられない。素敵だった。「きみたちは、もっと自分たちの未来を信じていいと思うよ」まずは、大人の私がはっとしている。不安で仕方がないのは、大人もそうなんだけど、それでも大人が勇気をもって未来を思い描かなければ、子どもはたまらないだろう。
読了日:12月25日 著者:福田隆浩
Dr.ヘリオットのおかしな体験 (ドクター・ヘリオットシリーズ) (集英社文庫)Dr.ヘリオットのおかしな体験 (ドクター・ヘリオットシリーズ) (集英社文庫)感想
空軍時代。ヘリオット先生に軍服は似合わない。彼の魂は、厳しい規律と訓練から離れてしばしばホームへ帰っていく。美しい思い出、楽しい思い出は、暗い時代にも、人を温める。体中に血を巡らせてくれる。読みながら、わたしは、フランクルの『夜と霧』を思い出した。ヘリオット先生の心の豊かさ、しなやかさは、読書する私の心にも照りかえってくる。
読了日:12月16日 著者:ジェイムズ・ヘリオット
本屋図鑑本屋図鑑感想
この本、見かけよりも何倍も中身は厚いんです。魔法みたい。読むほどに、行間から、たくさんの本屋さんの棚が浮かび上がってきます。最初はそっけないけれど、やがて、それぞれ、全く違う顔があることにゆるやかに気がついてくる。本の内容に、自分の思い出がいい具合に混ざり合って、さらに本の厚みはふくらむ。その過程が楽しい。
読了日:12月9日 著者:本屋図鑑編集部
名もなき人たちのテーブル名もなき人たちのテーブル感想
狭くて濃い21日間だったけれど、その後に控えている人生の慌ただしさに比べたら、このひと時の日々は、何もかもが、小さな光のようだ。だから、この旅は忘れられない。それぞれが(すべてを語り合うことはないそれぞれの理由で)反芻する。寂しさも不安も、みじめさも、時には残酷ささえ、船に乗せられ、大洋から守られていた。守られた束の間だったのだと思う。
読了日:12月3日 著者:マイケル・オンダーチェ
ん (講談社の創作絵本シリーズ)ん (講談社の創作絵本シリーズ)感想
半端な「ん」。なくても困らないかもしれない。でも、やっぱり困る。意味あるものや、役に立つものだけが大事にされる世界は殺伐としている。潤いがない。「ん」がない世界で、わたしは暮らせない。なくなって初めて気づくのかも。息苦しいって。そんなのは嫌だ。五十音のどこにも居場所がない「ん」。居心地の悪そうな「ん」。ずっと「ん」がある国で暮らしたい。
読了日:12月2日 著者:長田弘,山村浩二

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