こねこのチョコレート

Neko
こねこのチョコレート
B.K.ウィルソン 作
小林いずみ 訳
大社玲子 絵
★★★★


例えるとしたら、ぴんとした洗い立てのエプロン。日に干してぱんぱんにふくらんだ布団。
そんないいにおいがしそうな絵本でした。
良い家庭の清潔な良いにおい。
なんだか懐かしいなあ。この絵本の雰囲気にほっとします。

弟の誕生日のために8個入ったこねこのチョコレートを買ったジェニー。
誕生日の朝まで、自分のたんすにかくしておくことにしました。
と・こ・ろ・が・・・

うふふ、予想がつくでしょう。
はい、予想通りの展開で、それがとってもうれしいんです。この予想をうらぎらない安心感、大好き。
ひとーつ、ふたーつ、といくうちに、次を期待して、くすくす、なんだかおなかがくすぐったいような気がしてきます。

そして最後は?
どうするでしょう。
この絵本は、最後にほっと安心してうれしくおわりになってほしいです。そうなるはずです。でもどうやって?
あらまあ!
意外なところから、うれしいラストがやってきました。ほっとして、うわあ、よかったねえ〜と喜んで本を閉じる。
で、きっと言うんだな、にこにこしながら「もう一回読んで!」
そんな、何年か前(ほんとにほんの何年か前)の幸福な午後を思い出させてくれる絵本でした。