『ウォーリーと16人のギャング』 リチャード・ケネディ(文) マーク・シーモント(絵)

 

 

ギャングのホブボーンが15人の手下を連れて小さな町カウリックに乗り込んできた時、町のおまわりさんたちはちょうど川へ釣りに出かけて留守だった。
町の人々が家のなかでなりを潜めているとき、そろりとギャングたちの前に立ったのは、ウォーリーという名の男の子だった。
さて、ウォーリーは何をするつもりなのだろう。


たった一人の小さな子どもが、16人もの屈強な大人を手玉にとってしまう、なんとも痛快なお話なのだ。
だけど、どうやって?
ウォーリーはおちびさんだけれど、とっても賢いのだ。


16人のギャングは、見るからに強くて恐そう……でも、ちょとお人よしに見える。
子どものウォーリーよりも、ギャングたちの方が可愛く見えないこともない、と思う。
ほんとは気のよいおじさんだちではないかねえ。
あんがいギャングたちったら、子どもが大好きで、子どもと遊ぶことも大好きで、ウォーリーにしてやられることを思い切り楽しんでいたのかもしれない。というのはどうだろう。
そうそう、おじいちゃんが孫にふりまわされているみたいな感じで。
(そんなことはない。)