- 作者: まはら三桃
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/06/28
- メディア: 単行本
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魔女に続いて忍者まで出て来たよ。おまけに
>「魔女も忍者もいるんだから、やまんばだっているだろう」って、いやだ、言おうと思ってたら先に言われちゃった。もう、驚かない。
そして、蘭さんの思い出話の奇想天外ぶりなんて、今までの展開から見たら、かわいいものじゃないか。
物語は続くのだ。「完」は終わりではないのだ。
設定はぶっとんでいるけれど、実は地道な青春ストーリー。地道に成長していく主人公は微笑ましい。
それでも、意地の悪い私は思う。
自分が求めた人生じゃないよね、目標じゃないよね。
だから、苦労したじゃないの、これまでだって。そして、自分から求め始めてもいるじゃないの。
いいえ、まだまだ。まだまだな気がする。
誰かのために、ではなくて、なりたい自分はこれだ!という何か、そういうものが見たい。
もっと大きな壁にきっとぶち当たるはず。
それはどんな壁なんだろう。どうやって乗り越えるのだろう。その先に見える景色はどんな景色だろう。
もうちょっとその先を見せてくれてもよかったのに。
最後までわからなかった幾つかの謎もある。新たな「なぜ」も加わってしまった。
そして、最初から最後までずっとひっかかっていた「なぜ男子でなければいけないの?」は、宙ぶらりんのままである。
「完」はおわりじゃない。(タイトルは「事始」ですものね。「始まり」が終わったってことかな?)
三冊の表紙のデザインが素敵でした。並べて観賞いたします。