『ハヤ号セイ川をいく』  フィリパ・ピアス

夏休み、少年たち、友情、宝探し、冒険、謎解き、カヌー、川…
これだけ、「おもしろいよー」というキイワードが揃っていて、つまらないはずないです。

特に後半。
逆転、振り出しに戻る謎解き、限られた時間、現れた敵(?)、あせり、冒険、あせり、あきらめ掛けたところでまた逆転、そして、すっかり駒をそろえて目の前に並べられているのにどうしても解けない謎のいらだたしさ、迫る迫る時間…活字を追うのももどかしい。
子どもよ、母に話しかけるな。忙しいのがわからんのか。
…ということで、一気に読んでしまいました。

ピアスの処女作とのことですが、少年たちの性格や心の動きを表す細かな情景描写が素晴らしくて、やはりピアスでした。
そして、夏の川の風景の美しさ、過ぎていく夏休みの郷愁―今の時期に読んだためでしょうか、溜息がでます。

今回、追われるようにして、急いで読んでしまいましたが、今度は、細かな描写を味わいながらもう一度、読んでみたいと思います。

この本を紹介していただいたこと、ありがとうございました。