10月の読書

10月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:956
ヤービの深い秋 (福音館創作童話シリーズ)ヤービの深い秋 (福音館創作童話シリーズ)感想
一見やさしい物語であるけれど、この「命」の物語は、実は大きな危険と裏表でもあるようにも感じる、命の不思議。命の愛おしさ。『f植物園の巣穴』に通じるテーマにも出会ったと思う。ヤービが、アメウオの不思議な道に気がついたように、この物語も、あちらの物語と、何処か秘密の水路で繋がっている、響き合っているような気がする。
読了日:10月29日 著者:梨木 香歩
みすず 2019年 10 月号 [雑誌]みすず 2019年 10 月号 [雑誌]感想
連載:『戦争と児童文学9 船場のぼんぼんの初恋と戦争 今江祥智『ぼんぼん』~生き延びるための言葉を探して』(繁内理恵)を読む。「少女」を切り口に読んでいく。読み飛ばしてしまいそうな表と裏との声を繊細に拾い上げていく。戦争の時代に、少年たちのいきいきとした日々を支えていたのはそうした女たちの声だった、と思い至る。
読了日:10月27日 著者: 
ぼんぼん (岩波少年文庫)ぼんぼん (岩波少年文庫)感想
日米開戦から終戦まで。不自由な世界を当たり前のものとして受け入れ、それでも、屈託ない日々を、喜んだり悩んだりして精一杯生きる子どもたち。暗い時代であればあるほど、美しいものを渇望する人びとの気持ちが心に響く。夜空の火星を見ながら「戦争のない世界」に思いを巡らせる洋の姿が心に残る。
読了日:10月26日 著者:今江 祥智
ヒキガエルがいくヒキガエルがいく感想
ヒキガエルたちが進んでいく。ひたむきに、がむしゃらに進んでいく。やがて、父となり母となるヒキガエルを称えるように、太鼓が鳴る。ただただ、それだけの絵本、それだけの詩。それだけでいい。それだけでじゅうぶん。それだけで、ヒキガエルたちは、祈りのようなものに変わるのではないか。
読了日:10月20日 著者:パク ジォンチェ
言葉の色彩と魔法言葉の色彩と魔法感想
くすっと笑える小噺や風刺や皮肉、家族や故郷への思い、子ども時代への憧憬、季節や風景を詠った散文…ゆっくり読むのがいい。隙間の時間に一つ二つと時間をかけて楽しみに。どこでもぱっと開いたページから繰り返し読む。「語りの魔法使い」は、いつでも、どこからでも語り始め、たちまち別世界に連れていってくれる。
読了日:10月06日 著者:ラフィク シャミ
家の光 2019年11月号家の光 2019年11月号感想
『柿の木』(作・朽木祥/絵・ささめやゆき)を読む。おじいちゃんの20本もの柿の木が切られてしまうのだという。「わたし」とおじいちゃんは、並んで縁側で柿の木を見上げる場面が好きだ。おじいちゃんから聞いた話も、おじいちゃんと一緒に過ごした時間も、「わたし」のなかでちゃんと育っている。いつかたわわな実になるだろう。
読了日:10月03日 著者: 

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