『ウサギとぼくのこまった毎日』 ジュディス・カー

 

 

小学三年生の「ぼく」は、ウサギのユッキーが大嫌いだ。
ユッキーは、二年生の時の担任のベネット先生が飼っているウサギで、いろいろな授業で活躍した。ぼくがユッキーを嫌いになったのは、授業中、ユッキーにおしっこをかけられたからだ。
でも、いま二年生の妹アンジーはユッキーが大好きなのだ。
ベネット先生に急用ができて、ユッキーの預け先を探していた時、アンジーは、しばらくユッキーを預かることに決めたのだった。


ユッキーが来てから、「ぼく」の一家は、振り回されて、いろいろとひどいめにあった。
のろわれたバカウサギ、と「ぼく」はいう。
慣れない動物の世話ってほんとに大変。まして、望んだわけでもないのに、突然今日から一緒に暮らせと言われたら面食らうだろう。
愚痴りながら、悪態つきながらも、何とかしなくちゃ、と動く「ぼく」がほほえましい。
ひどいことのあとからやってきたよいものは、「ぼく」たち家族が呼びこんだのだ。
特別な家族じゃない。慎ましい日常。特別な事件ともいえないと思う。
だから。
「ぼく」の気持ちがゆるやかに変わっていく過程が楽しい。