大切なものは目に見えない


星の王子さま』の物語を追いながら、そのやさしい語りに隠された意味を丁寧に読み解いていく。
やさしい言葉だからどのようにでもとれる、というのではなくて、サン=テグジュベリの生い立ちなども合わせての読み解きです。


王子さまはなぜ子どもの姿をしているのか。
大人と子どもの違いは何か。
砂漠にひそむ《黄色い蛇》は、何を意味するのか。
愛することの責任、信仰など。
王子さまが遺した言葉たちが一層心に沁みていく。
 >「星があんなに美しいのも、目に見えない花が一つあるからなんだよ」
 >「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだよ」
そうして、目に見えないものを信じることが生きる力を与える――生きとし生けるものに存在の意味を与える《秘密》、という著者の美しい言葉に繋がっていく。


・・・正直言って五十数ページのブックレットは、大切な言葉の要点だけをフルスピードで解説していく感じで、しっかり理解できたとはいえない。
でも、ずいぶん前に読んだきりの『星の王子さま』(しかも、かなり忘れてしまっている)がまったく別の物語のように思えてきた。
王子さまにちゃんと出会い直したくなった。