どこいったん

どこいったん

どこいったん


クマはなくなったお気に入りの帽子をさがしています。
タイトルの「どこいったん」は、ページをめくるたびに繰り返されるクマの問いかけで、
この問いかけの答えも、動物たちの表情も、ほのぼのと楽しい。


だけど。


最後に、今度は、読み手のわたしが、この問いかけを引き継ぐことになろうとは思ってもみませんでした。
ボーゼンとして、そう、声を落として「どこいったん・・・」


こういうときの関西弁って、すごいなあ、と思う。
絵のあいだにある空気や、動物たちの表情に見える間合いなども、
いちいち説明しなくても、ごくわずかな言葉だけで、ちゃんと表現してみせる。
ショッキングな展開を、のんびりとボケて、独特の可笑しみにかえてしまう。
これは、原作の英文がとても気になります。読んでみたいな。


どこいったん、と問いかけつつ、
いや、いい、答えてくれなくても。そして、これ以上考えまい。
でも、わかっちゃうのよ、だいたい。その答えはたぶん・・・たぶん・・・