3月の読書メーター
読んだ本の数:36冊
読んだページ数:7834ページ

犬になりたくなかった犬 (文春文庫 148-1)犬になりたくなかった犬 (文春文庫 148-1)
カナダの大自然を背景におおらかに笑わせてもらいました。やがて、愛するものと別れつつ大人になっていく。子ども時代に、こんなに深い友情を結べる動物達の存在があったことがうらやましい。
読了日:03月31日 著者:ファーレイ・モウワット
みどりの船 (あかねせかいの本)みどりの船 (あかねせかいの本)
むせ返るような森の匂いと潮の匂いを乗せて、北極へ、赤道へ、エジプトへ、イタリアへ・・・地図と望遠鏡を持ち、わたしも乗ったことがあるのだろうか、みどりの船。少し寂しい秋がやってきても、みどりの船に乗ったことのある人ならきっと忘れない、あのきらめく夏を。
読了日:03月30日 著者:クェンティン ブレイク
猫の客猫の客
まるでそこだけ涼風が吹くような暮らしの中で、愛しさと悲しさが表裏一体になったような文章が沁みてくる。美しい文章と情感に浸っていると・・・最後のページに書かれたあれはなんでしょう。読後妄想が炸裂しています。
読了日:03月29日 著者:平出 隆
サーカス象に水をサーカス象に水を
独特のサーカスの空気に幻惑されます。語るのは90歳(または93歳)と23歳のジェイコブ。やがて、こんなラストシーンが用意されていたのか,と驚きます。老いと若さを超越して永遠に変わらない輝きに突き抜けるような感動と余韻が残ります。
読了日:03月28日 著者:サラ グルーエン
部屋の向こうまでの長い旅部屋の向こうまでの長い旅
この本を部屋にたとえれば、端から端まで数歩で行き着くところをあちこち立ち止まったりちまちま歩いたりして、ながーい時間をかけて行き着く感じだろうか。と、分析はしてみるものの、この本の魅力やおもしろさを全然堪能できていないのが悔しいです。半分より後はほとんど飛ばし読み。
読了日:03月28日 著者:ティボール フィッシャー
一年中わくわくしてた一年中わくわくしてた
観察すべきもの、冒険すべき事柄が見回せば私たちのまわりにこんなにたくさん。
読了日:03月27日 著者:ロアルド・ダール
店じまい店じまい
短いセンテンスの文が続く独特の文章は、読んでいて気持ちがいい。エッセイというより散文詩という感じ。ぼんやりとほの明るい光の中の光景は懐かしくて温かくてちょっと寂しい。そして、最後にほっと明るい希望を差し出してくれる感じもよかったです。
読了日:03月26日 著者:石田 千
絵封筒をおくろう絵封筒をおくろう
大胆で楽しい。柔らかな発想。こんなことしてもいいんだ、と目から鱗でした。・・・でもこんな封筒、もったいなくて誰にも送りたくなくなる。
読了日:03月24日 著者:きたむら さとし,松田 素子
おとぎの国の郵便切手おとぎの国の郵便切手
小さな枠に囲まれた小さな完成された世界。魅了されて、ワクワク、引き込まれてしまいました。
読了日:03月24日 著者:安野 光雅
ニューヨーク・スケッチブックニューヨーク・スケッチブック
さまざまな人々のさまざまな思いが寄り集まって大都会ができている。34の小さな物語はちょっと古いニューヨークを写したまさにスケッチブックだった。
読了日:03月24日 著者:ピート・ハミル
時の扉をくぐり時の扉をくぐり
夢の共演? ゴッホと広重がともに絵を描きながら旅をし、互いの絵の違い、互いの国の文化の違いなどを気づかせてくれるのがおもしろい。また、彼ら画家たちにとって、絵を描くことが命そのものであり、そのことにより、若者達が自分の生き方を考え始めるなど、清清しい。
読了日:03月23日 著者:甲田 天
イルカの歌イルカの歌
イルカと少女の生活が美しくて、その描写はまるで詩か音楽のよう。人の幸せも生き方も押し付けられるものではない。もし人間でいるよりイルカでいたいと望むなら、そういう選択をしたこと事態が「人間」としての選択だとも思う。
読了日:03月22日 著者:カレン ヘス
プラネット・キッドで待ってて (世界傑作童話シリーズ)プラネット・キッドで待ってて (世界傑作童話シリーズ)
子どもたちの世界にはいろいろな自分たちではどうしようもない深刻な問題がいっぱい。でも、とびきりのすばらしい夏の喜びもいっぱい。ある部分では凄く弱々しくて、ある部分ではすごくたくましく、傷つきやすい。考え深くて浅はかで、がんこでしなやか。そして、せつないくらいに愛しい。
読了日:03月21日 著者:ジェイン・レズリー・コンリー
ココロの止まり木ココロの止まり木
新聞に連載したものをまとめた本なので、一章一章がとても短くて、本当はもっと詳しく聞きたい話が、さらりと終わってしまうのがちょっと物足りなかった。著者の温かい人柄が伝わってくる文章、気ままにゆっくりと読みました。
読了日:03月18日 著者:河合 隼雄
ぼくとくらしたフクロウたち (評論社の児童図書館・文学の部屋)ぼくとくらしたフクロウたち (評論社の児童図書館・文学の部屋)
二羽のフクロウと一緒に暮らした作者の少年時代。ユーモアたっぷりの物語の奥に、フクロウたちが可愛くてしょうがない彼の気持ちをひしひしと感じる。(クリストファーロビンがつぶやく「ばっかなクマのやつ」を思い出す。) カナダ、草原と沼と茂みのある田舎町の少年時代には何回読んでもため息が出ます。久々の再読。
読了日:03月17日 著者:ファーレイ・モワット
アイリッシュ・ハープの調べ―ケルトの神話集アイリッシュ・ハープの調べ―ケルトの神話集
英雄であるための条件は、敷居が高いなあ。武勇だけではなく、詩を吟ずる才能が重んじられたことなど。人の運命を縛る呪詛の言葉など、言霊に似ておもしろい。表紙の意匠の中心にある結び目の模様はどんな意味があるのだろう。知りたいな。
読了日:03月17日 著者:マリー ヒーニー,大野 光子
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)
なんなんだ、この淡白な感じ。起こっていることの重大さと主人公の淡白さのアンバランスが、不気味。ほんとはすごくおかしなことの真ん中に投げ込まれているのに、じわりじわりと慣れさせられていたり、信じられると思っていた価値観や信念が知らないうちに少しづつ変ってしまっていたら?・・・怖い。
読了日:03月16日 著者:アンドレイ・クルコフ
Kwaidan―Stories and Studies of Strange Things (YOHAN Classics)Kwaidan―Stories and Studies of Strange Things (YOHAN Classics)
ラフカディオ・ハーンの「怪談」。欄外注釈がおもしろかった。日本古来の習慣など英語で説明するのって大変そう。一見洋書ですが、洋販から出ている日本の本です。
読了日:03月16日 著者:Lafcadio Hearn
12月の静けさ12月の静けさ
ベトナム戦争後20年。若者たちの無知から来る軽さとベトナム帰還兵の抱えた重たさが対照的。戦場を知っている人たちにとっては苦しみが一生続くのだろう。痛み、と言う言葉があまりに軽く感じられるほどの心の闇の深さ暗さ。現代っ子ケリーがわかりたいと思い始めたこと、わかろうと努力したこと、そのやり方にはハラハラさせられたけれど、彼女の成長が、重いテーマの中で、清清しい風を運んでくる。
読了日:03月15日 著者:メアリー・ダウニング ハーン
サクリファイスサクリファイス
これは精神の気高さと人間の尊厳を問う物語。圧倒されました。そして、この物語が「紳士のスポーツ」と言われるロードレースの世界を舞台に描かれたことも納得。主人公が、表に立つ事よりもアシストという役割を果たす人間であることも納得。読めてよかった。
読了日:03月14日 著者:近藤 史恵
ジョー アンド ミー―釣りと友情の日々ジョー アンド ミー―釣りと友情の日々
訳者あとがきの「なんとも心洗われるエッセイである。水彩画のような淡いタッチで描かれた、コネチカットの四季と釣りの話。ただそれだけなのだが、なぜかゆったりした気分にさせてくれる。」に大賛成。自然と人との豊かさに包まれて心がのびのびとしてくるのを感じる。いつまでいつまでもこの本を読んでいたい、そんな気持ちになる。ああ、なんて豊かな時間。
読了日:03月13日 著者:ジェームズ プロセック,James Prosek,光野 多惠子
夢の車輪―パウル・クレーと十二の幻想 掌篇小説集 (1983年)夢の車輪―パウル・クレーと十二の幻想 掌篇小説集 (1983年)
クレーの奏でる色の旋律がゆがみ、淳之介の物語と重なり、暗闇の中でとぼけた会話と官能的な夢がいつしか恐ろしい悪夢に変る。こんな夢を見て目が覚めたら、かなり嫌な気分だろうなあ・・・。
読了日:03月13日 著者:吉行 淳之介
老人介護 常識の誤り (新潮文庫)老人介護 常識の誤り (新潮文庫)
改めて「家庭」というものが持つ大きな力を教えられたように思う。介護する側もされる側も人間。家族だからこそできることを自信をもって。・・・だけど、これから初めて自宅で介護にあたろう、と言う人が読んだら、少し不安になるかもしれません。
読了日:03月12日 著者:三好 春樹
マインズ・アイマインズ・アイ
88歳のエルヴァ。なんてすてきな人だろう。彼女の頭の中にはなんとたくさんの詩が入っているのだろう。もう文字を読むこともできないのに、頭の中から自由に取り出せる詩。その詩でただ温まっているだけではない。それをエネルギーに変えて彼女の心は高く飛翔するかのよう。エルヴァの豊かな人生が、波紋のように、次の人、その次の人・・と広がっていく。本を読むわたしにも。
読了日:03月12日 著者:ポール フライシュマン
屋根にのるレーナ屋根にのるレーナ
両親の離婚の「原因」は決して子どものせいではない。だけど、その「結果」は、子ども達が抱えなければならない。なんと言う理不尽。こういう子どもが感じなければならない理不尽さって、他の状況でもたくさんあるように思う。だけど、子ども達は成長する。子ども達の成長を知り、その力を借りて初めて一歩踏み出すことができる親。それでも、子ども達はいつのまにか親の痛みをわかろうとするほどに大きくなっているのだということを、わたしたち親は惨めさの中でかみしめたい。
読了日:03月12日 著者:ペーター ヘルトリング
木曜日に生まれた子ども木曜日に生まれた子ども
ティンの居場所に感じるのは、土の湿った温かさ、静けさ。ひたすらに掘り進むティンという存在が、相次ぐ不幸の中で、ばらばらになっていく家族の気持ちのよりどころになっているように感じた。それにしてもなんという力強さ。ほとばしるような筆力にひたすら引きずられるように読んだ
読了日:03月10日 著者:ソーニャ・ハートネット
アル・カポネによろしくアル・カポネによろしく
最後の一文がすごくすごくすごくいい。にくいったらない。最高の読後感にありがとう、と言いたい。
読了日:03月08日 著者:ジェニファ チョールデンコウ
ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)
これはもう実物が見たくて見たくて・・・幸いなことに動物園で見られるんですって! 覚えておきましょう♪
読了日:03月07日 著者:吉田 重人,岡ノ谷 一夫
わたしのろば ベンジャミンわたしのろば ベンジャミン
このふくふくしたほっぺたをちょんと指で押してみたくなる。
読了日:03月06日 著者:ハンス リマー,レナート オスベック
エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死
エドウィンの「ふう!伝記作家って悪魔だな」に心から同感。読後、文中に散らばったあれやこれやがどんどんつながり、ぞぞっと寒気が。
読了日:03月06日 著者:スティーヴン ミルハウザー
のろのろひつじとせかせかひつじ (おはなしルネッサンス)のろのろひつじとせかせかひつじ (おはなしルネッサンス)
窓辺に置いた青い船の置物。「窓のそとでは、風をうけた木が、ななめになってゆれています。すきとおるように、ゆれていました。船は、窓のところにとまったまま、まるで風のなかをすすんでいるようにみえました。」・・・まねして窓辺に船の置物を置いてみたくみたくなる。・・・それにしても本当に良い友達。
読了日:03月04日 著者:蜂飼 耳,ミヤハラ ヨウコ
かりんちゃんと十五人のおひなさまかりんちゃんと十五人のおひなさま
三月三日に思うこと。(今の歳は置いておき)わたし、女の子に生まれてよかったなあ。
読了日:03月03日 著者:なかがわ ちひろ
コーネルの箱コーネルの箱
「芸術とはすべて、魔法を操ることだ。何なら、新しい幻を希う祈りだと言ってもいい。」(引用) 魔法の箱と魔法の言葉。シュールで美しい本
読了日:03月03日 著者:チャールズ シミック
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)
第二次世界大戦直前のロンドンと上海の租界の退廃的な社交界の雰囲気が魅惑的。美しい楼閣が崩れ去る・・・。読後、古川日出男さんの解説の一番最後のくだり「あなたは孤児になるためにこの物語を読むんだよ」に納得。
読了日:03月02日 著者:カズオ イシグロ
知里幸恵「アイヌ神謡集」への道知里幸恵「アイヌ神謡集」への道
「人と人をつなぐ」という言葉に心動かさせられる。これを他ならぬアイヌの人のほうから差し出されたのだ、ということに。しかもそれをしたのが19歳で逝った小柄な少女であったということに。彼女が残した小さな本をきっかけに、たくさんの人たちが自分の物語を作り始めているのを感じる。そして忘れてはいけない。日本は決して単一民族の国ではない、ということを。
読了日:03月01日 著者:
アイヌ神謡集 (岩波文庫)アイヌ神謡集 (岩波文庫)
テレビから聞こえてくる詩の朗読に、夕飯の支度をする手を止めた。ほんのちょっとの聞きかじりだったけれど、その詩句の美しい響きに驚いた。そして、この詩の全文を読みたくて、慌ててその書名を手近の紙に書き留めた。それが、「アイヌ神謡集」と出会ったきっかけでした。
読了日:03月01日 著者:

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