『しりとり』 安野光雅 (こどものとも2018年06月号)


安野光雅さんの絵本『しりとり』(表紙の画像がないのが残念です)


「では、しりとりをやってみましょう」で始まる最初のページには、さる、きびだんご、くま、しるこ・・・などの言葉が添えられた16の絵がある。
ここから好きな絵(言葉)を選んで、つぎのページに進む。
つぎのページには、かじか、るーれっと・・・などの言葉とともに14の絵。ここから、前のページで選んだ絵と、しりとりできる絵をさがすのだ。
ひとつしか続く絵がないこともあるけれど、二つある場合もあって、そのときはどちらかを選ぶ。
そうして、ページをめくりながら、しりとりを続ける。最後のページはちゃんと(?)「ん」で終わる。
(一番おしまいに「さいごの ページにつながらなかった ひとは さいしょのページにつながります もどって つづきを してください」と書かれています)


安野光雅さんの「しりとり」って迷路みたいだな、と思う。
言葉と絵の中で迷いながら、道をさがしていく感じが迷路に似ている。
どうしたら終わらせないで、ずっと続けていられるかなと考えてしまうのも、迷路に似ている。
迷路って参加するのも楽しいけれど、作るのも楽しい、ですよね?
この絵本のしりとりを楽しんだあとで、もっと巨大な迷路を作りたくなるのだ。
だから。
最初のページに言葉と絵とが16あるわけだけれど、あといくつか、かきたしてみたくなるのだ。次のページにも、もちろん。
絵本の中で遊んで、絵本からどんどんはみ出していける楽しい遊びの本だと思う。
そして、なによりも絵が(色合いも、面で描かれたちょっと古風な形も)とてもいい。
絵本から、はみ出して遊ぶことはできても、この絵をまねできないのは残念だなあ。