『ジュディ・モード、世界をまわる(ジュディ・モードとなかまたち7)』メーガンマクドナルド/ ピーターレイノルズ

ジュディ・モード、世界をまわる! (ジュディ・モードとなかまたち)

ジュディ・モード、世界をまわる! (ジュディ・モードとなかまたち)


そのときどきで気分(モード)がくるくる変わる女の子、ジュディ・モードのシリーズ七冊目。
ジュディは、記者モードのエイミー・モードと仲良くなる。(モードつながりだし、ジュディと同じ「カオガム」をコレクションする仲間だし)
そうして、エイミーの三年V組とジュディのT組は、ともに八日間で世界一周をする!・・・教室のなかでね。
友だちが増えるのは素敵なことだ。「世界一周」も楽しい企画だ。でも、ちょっとやっかいな問題が起こって・・・


ジュディ・モードの世界は、見覚えのある世界だ。大冒険ではないけれど、そういうことあるある、その気持ちわかるわかるって、仲間の一人になって、おしゃべりをしている感じ。
今回、素敵だと思った言葉は、これ。

>あたしはひとりきりがいい。クローンなんていらない。あたしみたいな子、お母さんは「ほかにいない」っていってた。お父さんも「なかなかお目にかかれない」って。トッド先生も「クラスにふたりといない」っていってくれた。
・・・
言って、 く、くれたのだろうか、という疑問は置いておく。
だれでもないジュディという一人っきりの子をありのままに見てくれる人たちが素敵で、そういう人たちに囲まれて、元気にしている彼女が素敵だな、と思う。


訳者あとがきによれば、この本がでたの、前六巻の五年後だそうだ。(装丁も少し変わった)
あとがきには、前六巻のあらすじやエピソードが短い言葉で紹介されているので、忘れていても大丈夫。
実際、わたし、かなり忘れているってことに気がついた。
そうだ、そんなことがあったんだっけと、改めて笑ってしまったり。楽しいふりかえりだった。
そして、物語のなかに出てきたガム通り。「チェック!」(←おはなしのなかのエイミーのまね)
・・・壁じゅうに貼られたガムの壁(私は、やかましいおばさんモードで、つい顔をしかめてしまうが)が、本当にあるのだ、ということを知り、びっくり仰天。
いやあ、途方もない文化だわ・・・


読み終えてから、巻頭の献辞(作者と挿画家による)をもう一度読む。「この本にでてくる人たち(登場人物の紹介)」も、もう一度読む。
いま、わたし、暗号が解けたようだモード。
物語を読み終えた今だからわかる面白さが、物語の外にも、いっぱい隠れている。
それは、本作りに関わった人々の楽しいはかりごとの現場を押さえたようではない?
そこに読者もいれてもらおう♪