おやすみ、かけす

おやすみ、かけすおやすみ、かけす
マリー・ホール・エッツ ぶん・え
まさきるりこ やく
大日本図書
★★★


マリー・ホール・エッツの新刊絵本がなぜに今頃?
それともこれは復刊本なのかしら・・・
なんだかなつかしいこの色合い、やさしい静かな言葉たち。

おねむのぼうやのそばでおかあさんが静かな声でゆっくりと話してあげる言葉を連想します。
外で聞こえる動物達の声のこと、その日ぼうやが家のそとで出あった動物達のこと――きっとそうなんだ。
ぼうやは、外の音を聞き、一日を振り返り、気持ちよくとろんとしている。
一所懸命起きていようとしているにちがいない。
まだ眠ってしまいたくないのだから。
そんな愛しさに思わず微笑んでしまいます。
暗いバックにえんぴつでさらっと描かれた絵は、眠いぼうやの目に映るぼんやりとした世界のよう。
もう半分夢の中なんだね。
おやすみ、ぼうや。