- 作者: 晴居彗星,ささめやゆき
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: 単行本
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という文章から物語は始まります。
日曜日の朝、お父さんが牛になっていた。
それも、畳の上で。
テンポのよい文章、親近感ありすぎて思わず笑ってしまう会話。
楽しい物語が始まった。
と、思った。
だけど、これは、かなり深刻な話ではないか。
毎日こつこつ仕事して、だからといって感謝もされず、
でもやっぱりコツコツと続けるしかない、毎日毎日。
そんな日々…
ふっと、牛になりたい、と思うことがあっても不思議はない。
牛になったお父さん(お母さん、お兄さん、お姉さん…)、ほかにもいるかもしれないよ。
家族が牛になったらどうしよう。
牛を囲み、いっぱいいっぱいの家族、
だれにも相談できず孤立していく家族…
いったいどうなるのか、
どうしたらよかったのか。
当たり前だと思っていたことは当たり前だったのだろうかな。
何かきっかけがなければ、こんなふうには考えないよね。
だけど、考え直すきっかけが、お父さんが牛になったからだった、なんて、
あまりに悲しいじゃないか。
これは、人ごとではないのではないだろうか?
おばあちゃんの登場、その後の行動にかなり驚いた。
ありなんだ…
こういう受け止め方もありなんだ。
素敵過ぎて、まいった。
嫁は勝てないよねえ、永遠に。
これからどうなるのかなあ。
正直言えば、嫁としてはかなり歯切れが悪いのだ。
せいいっぱいやったんだよ、ね。
でも、やっぱり歯切れが悪いのだ。
それではどうすればよかったのかな。
いや、この先、どうすればいいのかな。
うまくいけば…ではなくて、うまくいかないとき、
おかあさんはどうするんだろう。ドキドキしながら、考えている。