へそまがり昔ばなし

へそまがり昔ばなし (ロアルド・ダールコレクション 12)

へそまがり昔ばなし (ロアルド・ダールコレクション 12)

  • 作者: ロアルドダール,クェンティンブレイク,Roald Dahl,Quentin Blake,灰島かり
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 2006/07/01
  • メディア: 単行本
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>昔ばなしの主人公といえば、シンデレラも赤ずきんも、まあ、たいていは「いい子」と決まっています。でもへそまがりのダールが、いい子ちゃんを主人公にするはずがありません。
と、「訳者まえがき」からの引用です。


言われてみれば・・・
シンデレラも白雪姫も赤ずきんも・・・いい子。というよりも、あんまり賢くないかも。
自分の頭で考えられない。危機意識が薄いっていうか、他力本願っていうか、自分の道を自分で切り開いていこうという気概がないのではないか。
ダールの語る「へそまがり昔ばなし」は、ただ座り込んで「棚から牡丹餅」を待っている(これも奥が深そうだけど)昔話の主人公たちを、
転んでもただでは起きないツワモノに鍛え直してしまう。
これくらい賢くなれば、世知辛い世を渡って行くには充分。(でもきっと友だちいなくなりますよ・・・)
ついでに突っ込みどころとして、
「そのジャム職人はどこから調達してきたのだ?」とか「ズロースのなかにそんなものを持ち歩く君ってなに?」とか、
まあ、いいや・・・
オチで気に行ったのは「三びきのクマ」 敵もさるものなのだからこそ、「やった」と、気持ち良く笑った。


「訳者あとがき」の韻の話はとても興味深かった。
韻を踏んだRHIMEをリズミカルな日本語に訳すって、大変だろうなあ。すうすう読んでしまったけれど。
日本語では、「頭をそろえたほうが、調子が出るかもしれません」に、はっとしました。
そうそう、言われてみれば、日本語って語尾が統一されているんですよね。「です・ます」「だ・だった」
これはすでに脚韻みたいなものなんですね。