ぶたにく

ぶたにく

ぶたにく


鳥山敏子さんの「いのちに触れる」から、続けてこの絵本を手にとった。
それがなければ、もう少し違う感想になったかもしれませんが・・・


私は肉のために家畜を飼ったことがないし、生きもの→肉、という過程を見たこともありません。
肉はスーパーで買ってくるものでした。
肉は好きですが、それが「いのちを奪う→いただく」ということなのだ、ということをほとんど忘れています。
それを矛盾している、と思います。
それがエゴだということに気がついたのは鳥山敏子さんの本があったからでした。


いっぽうで、
私の家族は釣りがすきです。大きな魚を釣り上げるのを傍でみていると嬉しくなります。
おいしそう!と思います。
釣りあげた瞬間、それは生きものではなくて、食べ物として認識します。
その同じわたしが、テレビなどで、魚の産卵シーンを見て感動している。
彼らを食べる、という意識はないのです。
これも矛盾している、と思います。別のエゴだ、とも思います。


これらの矛盾に簡単に折り合いをつけられないのです。
理屈じゃないのです。自分の言葉で納得できていないのです。
簡単に綺麗ごとを言いたくなくなっちゃったのです。
そして、そう思う自分は、なんて不自然な暮らし方をしているのだろう、と思います。


食肉になる豚を育て、出産を助け、子の誕生を喜び、また育て、
そして、「これが一番つらい」といいながら屠場に連れていく・・・
『ゆうかり学園』のスタッフの方たちの顔の健全さに、わたしは心動かされる。
彼らの日常のなかには、そして、彼らの行動のなかには、なにも不自然さがない。
私が失って(失っていることにさえ気づいていない)全うな感覚をこの人たちは持っているのですよねえ・・・