過労で父が亡くなったあと、4年1組に転校してきた木下始。
始には、教室の中をふわふわと飛び回る小さな男「びりっかすの神さま」が見えた。ほかのだれにも見えないびりっかすの神さまが。
子どもたちに順位をつけてあおった先生のなかにあるコンプレックスが見えるような気がします。そのコンプレックスのなかにびりっかすさんがいるような気がしました。
それがやがて、ひとりふたりと「びりっかすさん」が見える人が増えて、全員が見えるようになるまで、みんなが心を開き、励ましあい、助け合い、ひとつになっていく描写がすばらしいです。
図書館で借りた本でしたが、子どもにねだられて買いました。
心に残ったフレーズ
>「だれもいない砂ばくを、いっしょうけんめいに、ひとりで走っているお父さんのすがたがうかんだ。」
お父さんのお葬式のとき、始が感じたおとうさんの姿が、寂しくて、やりきれなかったです。