『小犬のピピン』  ローズマリ・サトクリフ

「かわいいピピン、もし帰ってきたいと思ったらそうしてごらん。おまえのために道をあけておくからね。でも、おまえのほうでも少しはすることがあるのよ」
かわいがっていたピピンが死んだ時、女の人(マミー)が言った。

「いい話だったよ。途中悲しい場面があるんだけど、最後まで読むととてもいいことになるんだよ。」と、読み終えた小いちごが言った。

天国よりマミーの家に帰りたいピピン
マミーのピピンへの愛情。
互いの愛する心と想像力、信じる心が起こした奇跡。じんわりと満たしてくれる。
輪廻転生ということばがふと浮かんできて、キリスト教の国のお話なのよね、こういう考え方が入る余地もあるんだなあ、とちょっとびっくりしたりもしました。
文章全体に、静かでリズミカルな音楽を感じさせる響きがあり、その美しさも楽しめました。