『とびらのむこうにドラゴンなんびき?』 ヴァージニア・カール

 

むかし、あるくにに、13人のおひめさまがいました。
おひめさまたちは、森のてまえの野原にあそびにでかけます。森に入らないと、おかあさんの公爵夫人と約束して。
おひめさまたちは二人ずつ手をつないで歩いていきますが、末っ子のガンヒルダには手をつなぐ相手がいない。
楽しくなくなったガンヒルダは、森に一人で入って行き、そこで出会たのが、大きなドラゴンでした。そして……


この愛らしい表紙。
13人のお姫様たちは、おそろいの緑の服を着て、エンドウ豆の赤ちゃんみたい。お姫さまというより、お姫ちゃんと呼びたい。
豆粒がころころ転がっているみたいに画面全体に散らばっている。
お姫様たちの前に現れるドラゴンも、気のいい犬みたいで、抱きしめたくなるかわいさだ。


起こる事件も、それぞれの困惑も、ドキドキするよりほほえましい。
緑がいっぱいの画面に、散らばる赤がきれいで、絵本全体が春の野原みたい。ここで日がな一日遊びたい。まちがえて奥の森に入ってしまっても心配しなくて大丈夫。