9月の読書

9月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:2789

ペドロの作文ペドロの作文感想
軍事独裁政権下のチリ。ある日、9歳のペドロたちの教室に軍人がやってきて『わが家の夜のすごしかた』という題で作文を書くようにという。上手に書けたらメダルをやろうと。ここから恐ろしくて、隣り合った子ども同士の他愛ない私語さえ恐ろしくてドキドキした。子どもにこんなやり方、こんな題で作文を書かせたくない。
読了日:09月28日 著者:アントニオ スカルメタ
長新太おはなし絵本1どうぶつたちがはしっていく (長新太のおはなし絵本)長新太おはなし絵本1どうぶつたちがはしっていく (長新太のおはなし絵本)感想
けばけばしくないし、騒々しくもない。意地悪じゃない。なんだかわからないけど、いいや、なんだかわからないところが、おもしろいのだね。もしかしたら、高速で流れていく現実の時間と、絵本のなかの時間の流れにずれがあるのかもしれない。そのずれに、これまた不思議なんだけど、笑いの肝があるのかな。
読了日:09月27日 著者:長 新太
本屋さんのルビねこ本屋さんのルビねこ感想
ああ、この本屋さんなら、ほこりからある日、小さなねこが生まれるのも、不思議じゃない。モシモさんの思いが、魔法みたいだもの、それにこたえるようにやってくるお客さん(こたえるのはお客か店主か)の思いも、魔法みたいなんだもの。ルビとモシモさんのいる本屋さんを、わたしもいつか見つけられたらいいな。
読了日:09月26日 著者:野中 柊
菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)感想
先に、『少年が来る』を読んでいるせいもあり、ヨンヘの姿から『少年が来る』で、銃口の前に静かに並んで立っていた少年たちの姿を思い出していた。『少年が来る』の語り手たちは、獣たちの前に立つ木だった。木々の静かで深い怒りの源が、ヨンヘの中にあるように思えた。
読了日:09月25日 著者:ハン・ガン
ジュディ・モード、ラッキーになる! (ジュディ・モードとなかまたち 11)ジュディ・モード、ラッキーになる! (ジュディ・モードとなかまたち 11)感想
単語つづりバチコンテスト、憧れのワシントンDC、ミニブタのピージー、ワクワクしたり、ドキドキしたりがいっぱいのジュディの毎日。たくさんの仲間たちに、応援したりされたり、腹を立てたりたてられたり、羨んだり羨まれたりしながら、全力で駆け回る日々が、そのままラッキーな日々だと思うよ。
読了日:09月24日 著者:メーガン マクドナルド
ジュディ・モードのビッグな夏休み (ジュディ・モードとなかまたち 10)ジュディ・モードのビッグな夏休み (ジュディ・モードとなかまたち 10)感想
仲間たちはスリル満点の夏休みを満喫中。でも、ジュディの夏休みは留守番の夏休みなのだ。サイアクにはしないぞ、といろいろ挑戦するが計画通りに事は運ばない。それが、どういうわけか、わくわく冒険の夏休みになってしまう。いつもと同じ家、同じ町で、忘れられないサイコーの夏休み。
読了日:09月22日 著者:メーガン マクドナルド,キャシー ウォー
ハウスキーピングハウスキーピング感想
窓の内側にみんなと一緒に安心の内にいる、と思っていたのに、突然気がついた。私、いつのまにか外にいる。ここにきてみえてきたのは、中にいた三つの行き場のない不安だった。寂しくて仕方がない…
読了日:09月20日 著者:マリリン・ロビンソン
凍てつく海のむこうに凍てつく海のむこうに感想
物語は、隠され忘れられていた史実を伝え、忘れられていた人々を蘇らせる。残酷で絶望的な物語に小さな希望を添えて。姉妹編『灰色の地平線のかなたに』作者あとがきにとりあげられたカミュの言葉「自分の中の無数の夏」を振り返る。その夏は私の中にもあるだろうか。どうしたら見つけられるだろう、育てられるだろう、と考えている。
読了日:09月16日 著者:ルータ・セペティス
灰色の地平線のかなたに灰色の地平線のかなたに感想
ソ連に占領されたリトアニア。「名簿に載った」人びとはシベリアの強制収容所に送られる。物語一面が、灰色一色に塗りつぶされたかのような世界だった。人間らしさなどあっというまにはぎ取られ家畜以下の扱いに耐える日々。このうえない闇の中でともった小さな小さな灯りが心に残る。
読了日:09月14日 著者:ルータ・セペティス
全国 旅をしてでも行きたい街の本屋さん全国 旅をしてでも行きたい街の本屋さん感想
本を愛する、という言葉から、まず思い浮かぶのは、読むことが好き、ということだけれど、本を売ることに精魂こめる人も「本を愛する」人だ。そういう人から手渡される本、そういう場所で出会った本には、特別な「記憶」がきっと宿る。
読了日:09月10日 著者:荒井宏明,和気正幸,佐藤実紀代,イソナガアキコ,田端慶子,アイデアにんべん,ユニットことり会
とんぼの目玉―言の葉紀行とんぼの目玉―言の葉紀行感想
外国語習得の話から始まって、方言、翻訳、過去から現代へと変化していく言葉や、消えていく言葉、などなど、この本はまさに、様々な方向から様々な言葉の欠片の「イカダ組み」だ。ことに著者の母語としての出雲弁について語る言葉に引きこまれた。
読了日:09月08日 著者:長谷川 摂子
世界推理短編傑作集1【新版】 (創元推理文庫)世界推理短編傑作集1【新版】 (創元推理文庫)感想
この本におさめられた作品、どれもミステリというより、推理小説と呼ぶほうが相応しい気がする。19世紀という時代の雰囲気もよい。馬車が駆けて、ガス灯が灯る街。お屋敷には執事や召し使いがいる。探偵たちも、どこかゆったりしている。どの物語も(殺人事件の物語であったとしても)後味は悪くない。http://d.hatena.ne.jp/kohitujipatapon/20180902/p1
読了日:09月02日 著者: 

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