『おどりトラ』金森金森 襄作/鄭 叔香

 

おどりトラ―韓国・朝鮮の昔話 (こどものとも世界昔ばなしの旅)

おどりトラ―韓国・朝鮮の昔話 (こどものとも世界昔ばなしの旅)

 

 

表紙のトラの、このイカレタ表情をみてごらん。
これが主人公なんです・・・


遠くの山奥に、沢山のトラが住んでいました。
なかでも「おどりトラ」とよばれるトラは、ひまさえあれば、おどりばかりおどっているというおどり好き。
みんなで獲物を追っている最中でさえ、思わず踊り出してしまうものだから、大切な獲物の鳥を逃がしてしまいます。
とうとう、仲間たちから、山を追いだされてしまったおどりトラ、反省しておどりを自粛しましょう、とはならないのが素敵です。
その反対。
いっしょうけんめいおどりの腕を磨いて、不思議な力をもつようにさえなり、人々に神様のおつかい、と呼ばれます。
そうして、ある日、このおどりトラ、仲間のところへ凱旋いたします。
気のいい仲間は、かつてのいざこざを忘れ、おおよろこびで迎えるのです。さてさて……


ゆるやかに、おおらかに、次の展開はどうなるのかな、とワクワクしながらページをめくります。
おどるってすてき。
困ったことがおこったとしても、なんとかなるさ。
ウルロォーン、ウルロォーン。と、トラは吠えるのです。お囃子みたいで、楽しいな。