2月の読書

2月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2158

サンアントニオの青い月サンアントニオの青い月感想
よく話を聞いてみれば、ほとんどの人たちが解決しようのない(もう投げ出すしかないのかな)問題のただなかにいたりする。けれども、彼女たちの語りは、ラテン系のめっぽう明るい音楽に似ている。陽気にさえ思える。なぜか、と言えば、たぶん、彼女たちは、後ろを振り向かない、未来を案ずることもしないから。ただ、今だけがある。
読了日:02月27日 著者:サンドラ・シスネロス,くぼた のぞみ,Sandra Cisneros
小公女 (福音館古典童話シリーズ 41)小公女 (福音館古典童話シリーズ 41)感想
セーラは賢いし、優しいけれども、絵にかいたようなよいこではない。小さい頃読んだ抄訳でのセーラの印象とは違い、独特な個性をもった魅力的な主人公だった。丁寧な原田範行さんの『解説――学校、インド、想像力』、高楼方子さんの『訳者あとがき』がとてもよくて、読み応えのあるエッセイを二つ読んで満足だった。
読了日:02月23日 著者:フランシス・ホジソン・バーネット
ダーウィン家の人々――ケンブリッジの思い出 (岩波現代文庫)ダーウィン家の人々――ケンブリッジの思い出 (岩波現代文庫)感想
子どもだった頃、ヴィクトリア時代末期のイギリス上流階級の暮らし、家族、叔父叔母やいとこたちの思い出を、振り返って語る。子どもの目に映ったまま、感じたままを、歯に衣着せずに語っているから、おもしろい。ダウンで思いめぐらす祖父チャールズ・ダーウィンのこと、弟妹やいとこと遊んだ庭や屋根裏のこと、クリスマスの劇のこと。
読了日:02月17日 著者:グウェン・ラヴェラ
バレエシューズ (世界傑作童話シリーズ)バレエシューズ (世界傑作童話シリーズ)感想
何の見返りも期待せず子どもたちに愛情を惜しみなく注ぐ大人たちの姿が心に残る。やがて娘たちは別々の道を歩きだす。愛情溢れる見守りの内に自身の子ども時代があった事が、きっと彼女たちのこれからの日々を照らすと思う。辛いニュースばかりで気が滅入る今、完訳で古典のこの美しい本に、まっとうな大人たちに出会えたことが嬉しい。
読了日:02月11日 著者:ノエル・ストレトフィールド
ぼくは本を読んでいる。ぼくは本を読んでいる。感想
ルカが、本を読みながら考えるあれこれを読むのが楽しかった。本の中の世界は、現実の生活とつながっている。本好きな友だちとの弾むような「本」談義も素敵だった。互いの言葉を頼りに、一冊の本のより深いところに、ともに潜っていくよう。本を読むって、とってもアクティブで、わくわくする冒険じゃないか。
読了日:02月05日 著者:ひこ・田中
鐘は歌う鐘は歌う感想
物語の中のイギリスはディストピアだ。人々の気力は奪われ、記憶は盗まれるが、「記憶不能になる原因の半分は、あきらめることを選択したせいだ」とのフレーズが心に残った。あきらめることが、大切なものを手放す手伝いになり、納得できないものを受け入れてしまう手立てになるということが。
読了日:02月02日 著者:アンナ・スメイル

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