『どうぶつたちがはしっていく』 長新太

 

長新太おはなし絵本1どうぶつたちがはしっていく (長新太のおはなし絵本)

長新太おはなし絵本1どうぶつたちがはしっていく (長新太のおはなし絵本)

 

 

この本には二つのおはなしが入っている。
地震が起こり、交番のおまわりさんの前を、ゾウを先頭に、たくさんの動物たちが走っていく「どうぶつたちがはしっていく」
ゾウのオネエサンがタヌキのお医者さんに、自分のしわを全部とってほしいと頼む「ゾウのオネエサン」

私の頭のかたいこと、鈍いこと。こういうおはなしを読むと、つくづく思い知る。
読み終えて、ちょっとぽかーんとして、しばらく間があって、それから「え?」と思って、そのあとまたしばらく間があって、やっと笑みが浮かんでくる。
そんなわたしの笑いを、この本はちゃんと待っていてくれる。すました顔しているけどね。


けばけばしくないし、騒々しくもない。意地悪じゃない。
なんだかわからないけど、いいや、なんだかわからないところが、おもしろい。
もしかしたら、高速で流れていく現実の時間と、絵本のなかの時間の流れにずれがあるのかもしれない。
そのずれに、これまた不思議なんだけど、笑いの肝があるのかな。