『虫とけものと家族たち』 ジェラルド・ダレル


コルフ島は夢の中。
この本を開けばいつだってそこにいられる。


私が図書館で借りてこの本を読んだのは三年前。(感想
これは宝物、ぜひ手許に持っていたい、と思ったものの、すでに書店では手に入らないと知った時は悲しかった。
それが、今年の六月に、中公文庫として、復刊したのです!
どんなにどんなにうれしいことか。
ページを開けば、前書き代わりの「作者の言いわけ」 ああ、ダレル一家の一人一人の顔が蘇ってくる。
なんてまあ懐かしい。
旧友に再会したような。
パーティ好きな一家(ごく内輪の集まりのはずがなぜが大掛かりになってしまい、決まって大事件!!が起こる)におよばれしたような。
大切に大切に、一日ほんの数ページずつ・・・おいしいものをいつまでもとっておくような気持ちで味わっていた。
こうして読んでいたら、この本を読み終えるころには、続編・続々編も復刊します!という嬉しいニュースが聞けるのでは?と思ったけれど、少し早く読み過ぎちゃったみたい。


二か月間、わたしはコルフ島の豊かな自然の中で、愛しい友人たちと旧交を温めた。
素晴らしい夏だった。でも、何事にも終わりはくる。夏休みは終わるのだ。
この本の最後に、ダレル一家はイギリスの土を踏む。そして、わたしも本を閉じる。
大丈夫、終わりません、まだ。
ダレル一家は戻ってくるのです。この美しい島へ。彼らの夏は続く。


だから!
続編『鳥とけものと親類たち』、続々編『風とけものと友人たち』の復刊をぜひ、どうぞよろしくお願いします。
待っていますから。ずっと待っていますから。(でもなるべく早く)