7月の読書

2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3688ページ

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉 (ファンタジー・クラシックス)ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉 (ファンタジー・クラシックス)感想
下巻はさらにヒートアップ。目を離せない。ところどころに挿入されるうさぎの英雄伝説もおもしろい。伝説の再来のように、小さなウサギたちが大きな危険に対峙し、その都度思いがけない作戦を展開して切り抜けていく楽しさ。彼らが小さなウサギである事を忘れ、あるいは、自分が彼らよりも大きな人間であることを忘れました。
読了日:7月30日 著者:リチャードアダムズ
ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)感想
久々に楽しい冒険物語を読んでいます。走れ走れうさぎたち。一緒に走りながら、彼らの個性と役割が徐々に固まってきて、小さいながらもひとつの王国になっていく様子に驚嘆している。一方、彼らの牝に対する考え方や発言にひっかかり、元気な女の子が出てこないかなあと思いつつ下巻へ向かいます。
読了日:7月27日 著者:リチャードアダムズ
図書館に児童室ができた日: アン・キャロル・ムーアのものがたり (児童書)図書館に児童室ができた日: アン・キャロル・ムーアのものがたり (児童書)感想
夢を形にしていく困難は並大抵ではなかったはすだけれど、読みながら感じるのは、未来を信じる明るいおおらかさと弾むような喜び。彼女の児童室に繋がる日本の児童室に通いながら沢山の本に出会えた子どもたちの幸せを思います。ムーアさんと、後に続く人びと、図書館員さんたちに感謝します。
読了日:7月27日 著者:ジャンピンボロー
皿の中に、イタリア皿の中に、イタリア感想
数々のおいしい皿から、浮かび上がってくるのは「人」でした。著者が金曜日ごとの魚料理とともにカラブリア人を発見したように、わたしもまた、ぼんやりとだけれど、イタリア人に出会わせてもらったんだと思っています。
読了日:7月24日 著者:内田洋子
ムントゥリャサ通りでムントゥリャサ通りで感想
何も解らないのに、解らないまま捕まってしまったと感じる。不安を感じつつ、千夜一夜物語のような物語に心奪われる。天井に矢を放った少年たちは、矢が落ちる処を探している。私は物語の落ちる処をさがしている。その私が辿りつく処を見届けようとしている者がどこかの外側にいるような気がする。
読了日:7月22日 著者:ミルチャエリアーデ
石井桃子集〈6〉児童文学の旅石井桃子集〈6〉児童文学の旅感想
石井桃子さんの翻訳(言葉)に対する几帳面さ、誠実さに圧倒される。物語の舞台を訪ね歩く第三章イギリスの旅に心ときめく。読み終えて、私の頭の中は、まるで、四つの旅から戻った石井桃子さんにたくさんもらったおみやげを仕分けもせず詰め込んだような状態になっています。楽しい。
読了日:7月19日 著者:石井桃子
崩れゆく絆 (光文社古典新訳文庫)崩れゆく絆 (光文社古典新訳文庫)感想
太古からもっている自然の力と人間とが、ともに生きていくためのぎりぎりのバランスを保つとこうなるのだろう。時代は移り変わる。受け入れられなくても敬意は持ちたいと思うが…。警戒しなければいけないものは、猛々しいものではなくて、静かにやってくるものだった。
読了日:7月17日 著者:チヌアアチェベ
わが家の人びと―ドヴラートフ家年代記わが家の人びと―ドヴラートフ家年代記感想
途方もない家族。飄々としたユーモアに包まれた数々の逸話に混ざる旧ソ連体制下の悲しく苦い現実。それを突き破るおおらかでたくましく愛情深い人々が大好きだ。巨人のようなおじいさん、ハチャメチャな天才いとこ、詐欺師のおじさん、娘にしてあげた寓話・・・忘れられない。大切な家族の物語。
読了日:7月14日 著者:セルゲイ・ドナートヴィチドヴラートフ
ルピナス探偵団の憂愁 (創元推理文庫)ルピナス探偵団の憂愁 (創元推理文庫)感想
殺人も起こったし、怖い思いもしたよね。でも四人一緒の高校時代はなんて輝いていたことか。巣だった彼らの、もう絶対戻ることのできない日々がどんなにかけがえがなかったのかを知るための続編だっただろうか。一つの扉を閉める儀式のような続編だった。次のステップに向けて。
読了日:7月12日 著者:津原泰水
最後の紙面 (日経文芸文庫)最後の紙面 (日経文芸文庫)感想
不器用で不細工でときに滑稽だ。でも一つの矜持が見え隠れしている。愚かかもしれないけれど清々しくもある。物語は続いていくのだ。一つ終わったとしても、この先に何が起こるかわからないそれぞれの人生を彼らは生きている。これはひとつの礎の物語であるとも思える。
読了日:7月10日 著者:トム・ラックマン
エドウィン・ドルードの失踪 (創元推理文庫)エドウィン・ドルードの失踪 (創元推理文庫)感想
エドウィン・ドルードの謎』に、ホームズとワトソンが挑む!という魅力的なセッティングにワクワク。気になっていた未完のミステリの続きを読めておおいに満たされたはずなのに、一方で、謎が謎でなくなるのは寂しいものでもあると思っている。なんという我儘であろうか。
読了日:7月6日 著者:ピーターローランド
エドウィン・ドルードの謎 (白水Uブックス 191 海外小説永遠の本棚)エドウィン・ドルードの謎 (白水Uブックス 191 海外小説永遠の本棚)感想
大道具小道具はほとんど明かされていると思うけれど、それらをどのように並べたら、はっきりした絵になるのだろう。さあ。というところで終わってしまう。ああ。でも訳者解説のあらゆる場面を想定しての推理・仮説をもう一つのミステリとして楽しむ。楽しみつつ、本編読了時よりさらに深い迷宮に迷い込んだような気がしています。
読了日:7月1日 著者:チャールズディケンズ

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