ガンピーさんのふなあそび

ガンピーさんのふなあそび (ほるぷ出版の大きな絵本)

ガンピーさんのふなあそび (ほるぷ出版の大きな絵本)


子どもと一緒に楽しんだ絵本を久々に出してきました。


ガンピーさんが舟で出かけると、次々に「いっしょにつれてって」と子どもや動物たちがやってくる。
小さな舟に次々に増えていく動物たち、そうしてとうとう・・・という展開に、ウクライナ民話の「てぶくろ」に似ているな、と思います。
だけど、ガンピーさんの「とうとう・・・」は、からっと明るいのです。
岸辺の風景はゆるゆるとのどかで楽しげだし。
草や花の匂いを運ぶ風や、さわさわ鳴る葉摺れの音、小鳥たちのさえずりが、遠くのほうから聞こえてくるような気がする。
ガンピーさんをはじめとした動物や子どもたちの顔のおだやかさも好きです。
あるかなきかの表情が、豊かな表情(感情)やさまざまな声をもった読み手の気持ちをちゃんと舟に乗せて、一緒に連れて行ってくれる気がするのだ。
とうとう・・・のあとは、思いのほか(いや、思い通り、というか?)、なんということもなくて、なんということもない、と感じさせてくれるこの長閑さが幸せ。
むしろ、とうとう・・・が起こったのも素敵な川あそびの素敵な延長なんだ、と思えちゃう。
最後がお茶の時間になるのも嬉しいな。


ガンピーさんの舟にわたしたちみんな、のっていたよね。
あばれないから、けんかもしないからって、言ったんだよね。最初はほんとにそういうつもりだったんだよね。
・・・ね、また、乗せてね。