2月の読書

2013年2月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2401ページ

昔日の客昔日の客感想
読みながら付箋をたくさん貼って、読みながら付箋を全部はがした。付箋は意味がなくなってしまった。どのページもどのページも、どの章もどの章も、大切だった。引用したい言葉もたくさんある。だけど、それ以上に、この本全体の空気感をどうしたら引用できるか、と思ってしまう。
読了日:2月26日 著者:関口 良雄
原発問題に「無関心」なあなたへ。原発問題に「無関心」なあなたへ。感想
原発問題については話せない・・・そういう空気がある。本当は話したい。でも話せない。なぜ? もしかしたら、「話せない」のではなくて、自分とは考え方の違う相手の言葉をちゃんと「聞けない」ことが問題なのかもしれない、と初めて考えました。
読了日:2月24日 著者:発起人:吉良さおり 他
シフト (福音館の単行本)シフト (福音館の単行本)感想
人生のある段階の鮮やかなシフトの物語だった。クリス、ウィン、いつかわたしのところにも絵ハガキを送ってほしい。二人とも、再び走り始めるんだね。各々の走りかたで各々の道に向かって快走していく。それが嬉しい、清々しい。眼前に世界が広がるようだ。
読了日:2月20日 著者:ジェニファー・ブラッドベリ
心のおもむくままに<新装版>心のおもむくままに<新装版>感想
老いて、死を前にしたオルガの言葉の一言一言は、磨き抜かれたようで、静かに心に沁みてくる。時に反発を感じたりもしながら。オルガ自身、自分が完全ではないことをよく知っている。そのうえで、確かに伝わってくるのは、読み手(孫娘)に対する限りない慈愛だった。
読了日:2月15日 著者:スザンナ タマーロ
アンデルセン 即興詩人(上) (岩波文庫)アンデルセン 即興詩人(上) (岩波文庫)感想
わたしにとっての鴎外は、英語の本を読むのと同じくらいムズカシイということを実感しています。全然手に負えないのに、やっぱり美しいんですよね。安野光雅さんの口語訳を傍らに置いて、ものすごく助けられています。ゆっくりと下巻へ進みます。
読了日:2月10日 著者:アンデルセン
花言葉をさがして花言葉をさがして感想
どんなに否定されて否定されても、人として「価値がない」なんてことは誰にも(本人でさえ)決められないのだ。「母性」という花言葉が何度でも生き直そうとする傷ついた女たちに、勇気を与えてくれているような気がします。その言葉を花開かせる存在が愛おしくてたまらない。
読了日:2月9日 著者:ヴァネッサ ディフェンバー
チボー家の人々 (7) (白水Uブックス (44))チボー家の人々 (7) (白水Uブックス (44))感想
神父とアントワーヌとの論争が印象的。彼の(医者としての)死生観(父の死への関与)は、宗教観に結びついているのだろう。彼の中にちらちら見える(ような気がする)救い難い暗さが気になる。これからどう変わっていくのか、深い苦しみが待っているのではないか、と心配になる。
読了日:2月6日 著者:ロジェ・マルタン・デュ・ガール
ンガイの指がなるとき (1971年) (創作童話〈2〉)ンガイの指がなるとき (1971年) (創作童話〈2〉)感想
世界には、なんてたくさんの民族がいて、文化があり、暮らしがあるのだろう。自分たちにとっての常識も善悪の判断も、ところ変われば通用しない。白人二人組の「ずるいことをして儲けたい」という思いが、自分たちの預かり知らない世界で空回りする茶番に、苦い笑いを感じます。
読了日:2月3日 著者:寺村 輝夫
世界が終わるわけではなく (海外文学セレクション)世界が終わるわけではなく (海外文学セレクション)感想
この短編集には、一つの物語のなかに、お祭りの「真っ最中」と「終わったあと」とが、同時に投入されたような感じがある。明日、いや、今夜、何かとんでもないことが起こるとしても、「これで世界が終わるわけじゃないんだから」心配しないで、ひたすら些事にかまけるのだ。
読了日:2月1日 著者:ケイト・アトキンソン

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