ハンナの学校

ハンナの学校 (文研ブックランド)

ハンナの学校 (文研ブックランド)

  • 作者: グロリアウィーラン,スギヤマカナヨ,中家多惠子
  • 出版社/メーカー: 文研出版
  • 発売日: 2012/10/01
  • メディア: 単行本
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1887年。アメリカの農村。
農園の娘ハンナは目が見えない。ハンナは学校へ行ったこともないし、新しい服を買ってもらったこともない。
「目が見えなくて学べない子に本や服を買ってやってもしょうがない」という父親の言葉に、この家でのハンナの暮らしがわかる。
愛していないわけではないけれど、諦めている、というのは悲しい。
そして、親があきらめている以上、それをそのまま受け入れるしかない子どもが悲しい。
「かわいそうなハンナ」――こんな呼び方を自分にも他人にも許す親が歯痒く思えてならない。


時代も時代なんだ、と思うけれど、やはり、ハンナの境遇にじりじりする。
居心地の悪いことこのうえない。
子どもを大切にすることと、ペットにすることは、ちがう。
甘えさせることと甘やかすことはちがう。
ハンナを可哀想な子にしたのは、親である。この親は、本物の目だけではなく、ハンナの「心の目」まで閉じさせてしまったのだ。
目が見えないことはどんなに辛いだろう・・・
だけど、親によって、その辛さを何倍にも引き上げることが許されるはずもない。
それが子を守ることだ、と信じているだけにいっそうたちが悪い。
居心地が悪い、と思ったのは、わたし自身が親だからだ。
目を手を足を、そして、未来を、さらには、今現在という時間を、わたしは子どもから奪ったことはなかっただろうか、愛情という衣にくるんで。


ハンナは、想像力のある子だ。見えないけれども、感じることのできる子だ。
ハンナの語る「物語」の美しく、楽しく、そして力強いことに、感動してしまう。
彼女は、目が見えないけれど、別の「目」で物を見ることのできる子かもしれない。
それを見つけ、その目を開かせるために力を貸してくれた人の存在に、心熱くなる。
サリバン先生を思い浮かべている。