高慢と偏見(上下)

高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)

高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)

高慢と偏見 下 (ちくま文庫 お 42-2)

高慢と偏見 下 (ちくま文庫 お 42-2)


ラブストーリーなのですが、『高慢と偏見』というタイトル主人公二人の性格を一言でそのまま言い表している。
そして、その「高慢と偏見」のおかげで、話はややこしくなり、回り道をしなければならなくなる。
もちろん最後にはお約束通り、おさまるところにおさまるのだけれど、そこに至るまでの紆余曲折が楽しい。
財産や家柄など、実も蓋もない話など、18世紀の恋愛は、甘いばかりではないのね。
おかげで、リアルな物語になっています。
この時代の中〜上流家庭の雰囲気など、楽しめました。


登場人物たちの性格の描写もよい。
主人公エリザベスは、様々な欠点もあるけれど、快活で賢い。現代にもいそう。
強烈すぎるくらい強烈な家族や隣人たちが、やりすぎだろうってくらい素敵な演出(!)をしてくれて楽しい。
(実はわたしはベネット家の三女メアリーが結構お気に入り。趣味が合いそうだわ^^)


コリンズ氏とウィッカム氏を評するベネット氏の痛烈な皮肉は可笑しくて笑ってしまう。
自分の悲劇を喜劇に変えちゃった(?)彼の一人称語りで、この本を読んでみたいな。
さらにおもしろかったのではないだろうか。