7月の読書

7月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:3662ページ

ときそば (落語絵本)ときそば (落語絵本)
おいしいおそばが食べたくなった。せりふもいいけど、湯気で曇った屋台のおそばの絵がとってもおいしそう〜。あれだけほめて美味しく食べるお客なら一文おまけしてやってもいいかも。だけど、くすくす、真似しちゃだめだよねえ、おばかさんだ。
読了日:07月30日 著者:川端 誠
終わり続ける世界のなかで終わり続ける世界のなかで
心の片隅に打っちゃっていた問題を目の前に突きつけられる。様々な人の生き方、考え方のどれもが、少しだけ納得出来て、少しだけ納得できなくて、多くは不可解だった。答えはあるのか。湧き上がってくる思いは、ひとりぼっちで生きているのではない、ということ。世界は終わり続けるけれど始まり続けてもいるのだ、ということ。
読了日:07月29日 著者:粕谷 知世
レクイエム (白水Uブックス―海外小説の誘惑)レクイエム (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
まるで道路からたちのぼるゆらゆらした空気のなかを方角も定めず漂っているような、読んでいるのかねえ、歩いているのかねえ、眠っているのかねえ、わたし。誰かと出会うたびに、言葉を交わす度に、主人公がだんだん元気になり生まれ変わって行くような感じ。いや、余計なことは考えない。だって蒸し暑い七月だもの。
読了日:07月26日 著者:アントニオ タブッキ
少年は残酷な弓を射る 下少年は残酷な弓を射る 下
再生なんて望めないのだけれど、そして、どんなにしても起こってしまったことは変えることはできないけれど、そのことに向かいあうにあったって、母子が「わからない」ところから、もう一度やり直す、最初から生き直すことができたら…。母親は、いつ、どうやって母親になるのだろう、とそんなことも思った。
読了日:07月24日 著者:ライオネル・シュライヴァー
少年は残酷な弓を射る 上少年は残酷な弓を射る 上
これ以上ない最悪。ここから始まるのか、何が始まるのか、と思うと、滅入ってしまう。滅入ってしまうけれど、始める、というなら、きっと誰も知りようのないほんとうのことがあるのだろう。今の状態で、感想は差し控えたいけれど、ずっと気になる(そしてさらに滅入るサプライズパーティー。下巻にすすみます。
読了日:07月21日 著者:ライオネル・シュライヴァー
のれんのぞき (《大人の本棚》)のれんのぞき (《大人の本棚》)
羽子板の押絵作りや煙管作り、人力車や、番傘作り…タイムスリップしたような気がする。深入りしない、ちょいと覗いてみただけの気易さが心地よい。湿り気のある土の匂い、濃い緑の匂いもある東京の風情に身をゆだねる心地よさを味わう。最後はお寺めぐり。そろり、亡父の墓参りで終わるのが憎い。
読了日:07月19日 著者:小堀 杏奴
ヒヤシンス・ブルーの少女ヒヤシンス・ブルーの少女
八つの物語の主人公たちとともに、この絵をずっと味わってきた。絵は人びとの人生に光を灯した(同時に、それを失う絶望も味あわせた)思うような人生を誰もが送れるわけがない。でも、それは、端から見たとおりかどうか、本人にしかわからない。ただ、すばらしい絵を見た。今も見ている。そんな思いで本を閉じる。
読了日:07月16日 著者:スーザン ヴリーランド
ムーミンのふたつの顔 (ちくま文庫)ムーミンのふたつの顔 (ちくま文庫)
ムーミンに初めて出会ったのは子どものころ見たアニメ。そのせいで、ヤンソン作のムーミン童話にこもる陰影をなかなか受け入れられなかった。ムーミンを好きになったのは大人になって。それを残念だと思っていたけど、これもひとつのムーミンとのお付き合いの形なんだ、と思えました。
読了日:07月14日 著者:冨原 眞弓
心のナイフ 下 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)心のナイフ 下 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)
この先に何が待ち受けているか考えただけでめまいがしそう。でも、ベンが「希望」って言ったんだよ。この物語が希望へ続く物語であることを信じる。どこからどこまで希望がないように見えても、希望はある、と信じ、伝えられるような生き方を、大人であるわたしはできているだろうか。とにかく早く続きを読ませてください。
読了日:07月13日 著者:パトリック・ネス
心のナイフ 上 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)心のナイフ 上 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)
考えていること全部が、喋っていることと同じように聞かれてしまう、聞こえてしまう。考えただけで気が狂いそうになるけれど、慣れと自制で暮らしていける、ということに驚いた。ある日突然命を狙われ、追われ、自分が関わる人が巻き込まれていく恐怖。早く理由を教えてほしい。下巻にすすみます。
読了日:07月12日 著者:パトリック・ネス
ブルックリン (エクス・リブリス)ブルックリン (エクス・リブリス)
彼女の終盤の悩みは、自分が一体どこに属する何者なのか、という問いかけにも思えた。どこにも属さないものになってしまった、と感じているのではないかと思った。この物語はまだ途上。いつか、二つに分かれたものが、どういうふうにか形を変えて、彼女の内で一つに合わさるといいな、と思う。
読了日:07月09日 著者:コルム トビーン
めぐろのさんま (落語絵本)めぐろのさんま (落語絵本)
「黒くて長やかなる・・・」さんまへの憧れが募る言葉に、共感? 食べたいのう。だいこんおろしをそえて、しょうゆをじゅじゅっと・・・。おとのさまの無邪気な表情と、周りの人たちの困惑顔の対比がまた愉快でした。
読了日:07月09日 著者:川端 誠
レインレイン・ボウ (集英社文庫)レインレイン・ボウ (集英社文庫)
大人になりかけの女たちの日々の凹みや怯みの狭間にミステリが忍び込む。読後感の爽やかさは、若い女達を見守る作者の優しさ、と感じた。みんなそれぞれの道で精いっぱい生きて、しなやかに大人になっていく。若く亡くなった子は、短い人生を謳歌して満足して旅立っていったのだ、と思うけれど、やっぱり悲しい。
読了日:07月06日 著者:加納 朋子
真夜中の動物園真夜中の動物園
神秘的、ともいえるような独特の透明感の中を読みながら旅して思いがけないところまで連れてこられる。ちょっとフライシュマンの『マインズ・アイ』を思いだすが、こちらの本は、これをよしとは言えない。本物をあきらめたうえの代替品が本物以上に輝くことは確かにある。でも、本物を奪っているのは人間。辛い。
読了日:07月05日 著者:ソーニャ・ハートネット
モロッコ革の本 (1975年)モロッコ革の本 (1975年)
ロッコ革の本というのは、シンプルな外観であるだけに、技術的にごまかしがきかないそう。そのシンプルさが、特有の美しさになっているそう。それは著者の生き方にも繋がるように思う。そもそも本というものは何だろうと考えました。この世に本というもの(どんな形のものも)があるということの幸せも思いました。
読了日:07月03日 著者:栃折 久美子
八月の光八月の光
この地獄で命を失った人たちに手を合わせ、生き抜いてくれた人たちに、ただ、頭を下げたい。「あの人たちのことを覚えていなければ」という言葉が、突き刺さってくる。ふらふらと、流されて、何もかも忘れてしまったら、そうだ、忘れたら、わたしは自分の名も忘れてしまう。覚えている、ということが、きっと全ての始まりなのだ。
読了日:07月02日 著者:朽木 祥

2012年7月の読書メーターまとめ詳細
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