はつてんじん

落語絵本 三 はつてんじん (落語絵本 (3))

落語絵本 三 はつてんじん (落語絵本 (3))


川端誠さんの落語絵本、二冊めです。
このシリーズは、声を出して読んでなんぼ、と初めて読んだ「みょうがやど」で実感しましたので、
最初から大きな声で読みました。
こんなおばちゃんが、真昼間、だれもいない部屋で、ノリノリで大声で絵本を読んでいるって、ちょっとへんてこな光景かも。
でも、これがとっても爽快なのだ。くせになるのだ。
夕方になったら、一緒にこの絵本を読もう、という子がどこかから現れるかもしれないから、待っている。


子どものころ、時々、近所の友だちのおじいちゃんが、晩酌しながらお話を聞かせてくれた。
とても楽しかった。
あとになって、あれらはみんな落語だった事を知りました。
お気に入りの「まんじゅうこわい」は、鮮明に覚えています。
落語、というと、
友だちのおじいちゃんの声と、
葡萄棚のある庭先の湿った土の匂いと、
一枚づつもらった沢庵をかじりながら腰かけていた縁台を思い浮かべる。
こういう落語(?)もきっとあり。私の声で絵本を読む落語もきっとあり、かも。


年のはじめに、初めて天満宮にお参りすることを「初天神」というのだそうです。
初天神に出かけようとするおとうさんに、お母さんが息子の金坊も連れてってくれ、と言います。
絶対おねだりしない約束で、しぶしぶ連れて行くことになるのですが・・・さてさて。
年の初めの参道のにぎわいに、気持ちも浮き立つ。何より道中の二人の掛け合いが無茶苦茶楽しい。
そうして、そうして、どうなったかといえば・・・


この親にしてこの子あり、とはよく言った^^
似た者親子かもしれない。
これは、お父さんの本だ。お父さんと息子の本だ。
父と息子、という関係が素敵だなあと思う。
母や娘だったら、ちょっと雰囲気が違うような気がする。
まして、この場は、おとうさんと息子だけが知っている言葉にならない了解があるような気がして、
母のわたしは、父がちょっと羨ましい、と思ってしまいます。