ふゆめ がっしょうだん (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)
- 作者: 長新太,冨成忠夫,茂木透
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1990/01/31
- メディア: 単行本
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『生きもののヘンな顔』を読んでいたら、この絵本がとても恋しくなった。
人ではないものに人の表情を見る、ということで。
でも、それ以上にこの絵本に惹かれるのは・・・
・・・ほら、やっぱり歌っているんだ。
音にならない音で。
言葉にならない言葉で。
聞こえる、聞こえる。耳ではないところで聞いている。
心沸き立つ歌は命の歌です。
声合わせ歌う顔は、どの子もどの子も、みんな違う。
こんなにかわいらしい絵本なのに、詩なのに、ほわんとした感じじゃない、しなやかな強さを感じる。
なぜなら、きのめたちは、この顔の下に、春夏秋冬を生き抜く知恵と力を蓄えている。
それを意識しながら、寒風のなかで、パッパッパッパッ、と歌っている。
パッパッパッパッは、歌声であり、きのなかの心臓の音。それに響き合う私の心臓の音。
あついものが胸の奥からせりあがってくるような気がする。
力強い、真冬の歌声に、わたしは感動してしまいます。
そうして、照れずに言いたくなるのだ。生きているって、こんなに嬉しいって。