- 作者: 土橋悦子,長新太
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1999/06/15
- メディア: 単行本
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民話みたいだな。
まいごになった王子様を探しに行くお姫様の話のようであり、
魔法にかけられた若者を探しに行く村娘の話のようでもあり。
まち針おくさんが、だんなのことをほめていうことばが素敵だ。
>「あんなに、ぬい目のきれいな人は、めったにいないよ」
おくさんがだんなのどこに惚れたか、その惚れ方が好きだなあ。
ふふ。
いなくなってしまっただんなを探すまち針おくさんの冒険。
ふたりがまち針であり、ぬい針であることの、
短所が災いすれば「しまったぁ」と思い、
長所を生かして危機を脱すれば、ほっほとうれしいのであった。
さすがまち針とぬい針。
わくわくして、どきどきして、楽しい「ゆきてかえりし」の物語でした。
長さんの絵もよいです。
踊りをおどるまち針おくさん、おかしいよ。やわらかそうで。針なのに。
お話がずっと踊っている。
しかし、縫い針がこんなことになるなんて、ときどき針箱を広げるものとしては、ほんとは怖いことである。
気をつけようっと。