「絵のある」岩波文庫への招待

「絵のある」岩波文庫への招待

「絵のある」岩波文庫への招待


挿画入りの岩波文庫、こんなにたくさんあったなんてびっくりしてしまいます。
さらっと眺めておしまいでは済まないような芸術性の高いものやら、
まさかのあの人が描いていたり、絵がここにあるためには別の物語があったり。
しかも、ジャンルの幅広いこと。
小説、随筆、詩集、句集、歌集、漫画、童話、民話に神話・伝承・・・。一般向けから児童書まで。
きっともっともっとあるに違いないです。


挿画から見る読書案内、そして、挿画から挿画へとしりとりのように話題は移っていきます。
ロートレックにボナール、ドレ・・・
鏑木清方岸田劉生棟方志功・・・
寺田寅彦正岡子規の何と珍しくも自筆の挿画を飾る随筆集・・・
サロメ」をめぐるオスカー・ワイルドとビアズレーの確執やら、
ディケンズサッカレーの微妙な雰囲気・・・
挿画は、思いがけないこぼれ話をも語ります。


最後に出てくるのがアンデルセンの「絵のない絵本」
――“本当は「絵のある」『絵のない絵本』”
謎かけみたいで楽しい趣向でした。
この挿画を、著者坂崎重盛さんは「影絵」である、といいます。
この本に影絵、という深長な意味あいに、なるほど!と思います。
だけど、その一方で、これはほんとに影絵なのでしょうか。この本だけ画家の名が記されていないのですが。
もしかしたらアンデルセン自身による切り絵ではないでしょうか。
違うかなあ・・・
(そうだったら楽しいなあ、という夢なのですが)
まずは、図書館に予約、実物を手にとって見てみたい、と思います。(見てわかるとも思えないけど^^)
アンデルセンの切り絵についてはこんな本が出ているので、気になるのです。

The Amazing Paper Cuttings of Hans Christian Andersen

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  • 作者: Beth Wagner Brust,Hans Christian Anderson
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ほかに気になった「絵のある」岩波文庫は、
『影をなくした男』シャミッソー
『柿の種』寺田寅彦
『にんじん』ルナール
鈴木三重吉詩集』
『メゾンテリエ』モーパッサン
などなど・・・ほんとは出てくる本が端から気になってしかたがありませんでした。