5月の読書

5月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:5979ページ

オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス)オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス)
不幸さえ笑い話にしかならないような彼に、大勝利を感じるのはなぜかな。彼の身内の女たち(つわもの達)でさえ成し遂げなかったことをやってしまったんじゃないかと感じるのはなぜかな。Imiss you,オスカー。
読了日:05月28日 著者:ジュノ ディアス
オーケストラの105人オーケストラの105人
普通の暮らしをしている人が、普通の顔からプロの顔(姿)に変わっていくまでが、楽しいです。素敵な仕事の世界を持っている人にも、もう一つの素敵な「普通」があるのが好きです。ページごと、パートごとの音楽を楽しんでいるうちに、それが集まって、最後に大きなオーケストラになるようです。
読了日:05月27日 著者:カーラ カスキン
醜聞の作法 (100周年書き下ろし)醜聞の作法 (100周年書き下ろし)
醜聞って、作法という言葉からは一番遠いように思っていました。それでも、あえて作法。これは極上の醜聞。かっこいいお話だな〜。
読了日:05月25日 著者:佐藤 亜紀
天翔る少女【新訳版】 (創元SF文庫)天翔る少女【新訳版】 (創元SF文庫)
坂木司さんの解説がよかったです。結末の違う別バージョンもあったそうでびっくり。わたしはこのままの方が好きです。トム大おじが主人公ポディに聞かせてくれた「ポディの話」の結末が素敵でした。ずっとずっと何度でも世界が若くなりますように。
読了日:05月23日 著者:R・A・ハインライン
白の祝宴 (逸文紫式部日記 )白の祝宴 (逸文紫式部日記 )
時の男社会を出し抜き、後世の私たちを出し抜き、出し抜かれたものは出し抜かれたことさえも知らずに大切に伝えていく宝物。舌を巻きつつ、なんと小気味よい女たち、と思う。
読了日:05月22日 著者:森谷 明子
夕暮の緑の光――野呂邦暢随筆選 《大人の本棚》夕暮の緑の光――野呂邦暢随筆選 《大人の本棚》
美しいエッセイ集でした。住む家への思い、本への愛、小説を書くということ・・・しんとした文章の補色に、筆者の戦争体験(ことに原爆の)がある。一言ひとことを大切に味わう
読了日:05月19日 著者:野呂 邦暢
どこからも彼方にある国 (YA Step!)どこからも彼方にある国 (YA Step!)
目の前の問題や不安に揺れながらも、将来の夢を語り合う二人のまっすぐさ、不器用さがかわいらしくてまぶしい。わたしは「言葉」以外の「本当の話し方」を持っている人が羨ましい。
読了日:05月19日 著者:アーシュラ・K. ル=グィン
ぼくが空を飛んだ日ぼくが空を飛んだ日
空を飛ぶ場面が出てくるわけではない。でも見える。いとも軽やかに月の夜空に舞い上がる姿が。そして、目をこらせば、まわりにいる人々が。
読了日:05月18日 著者:ニッキー シンガー
ひそやかな村 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)ひそやかな村 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
この本に納められた全ての短編、出来事としてはどうでもいいことばかり。だけど、その出来事を全部忘れてもそこに籠る感情はきっと鮮やかに蘇る。何度でも。強くて土臭くて、シニカルで、ユーモアがある。きつい瞬間も寂しい瞬間もちょっと突き放して笑いを含んで眺めていられる。思わずくすっと笑ってしまったら、主人公たちもこちらを振り返ってにやっと笑うんじゃないかな、と思う。共犯者みたいな顔して。
読了日:05月17日 著者:ダグラス ダン
忘れられた花園 下忘れられた花園 下
見えないはずのものを、知らないはずのものを、何か別の目で見ていることもあるのだろう。知らないけれども知っている。謎かけみたいだけれど、それが真実だ。(はっきり書けないのが歯がゆくもあるわけですが)それだからこその充実に満たされています。
読了日:05月15日 著者:ケイト・モートン
忘れられた花園 上忘れられた花園 上
子ども用の小さな旅行用トランクを手掛かりに、百年の歴史をさかのぼって家族をさがします。切り裂きジャックのいたロンドン、大きなお屋敷、そして、美しいお伽噺の稀覯本…ひとつひとつの舞台や大道具小道具にわくわく。もつれた糸をひとつほどけばその倍のもつれがみつかる感じ、いったいどこへ連れて行かれるのか皆目見当がつきません。おもしろい〜、と言いながらこれから下巻に向かいます。
読了日:05月13日 著者:ケイト・モートン
ツバメの谷(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)ツバメの谷(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)
ツバメ号は新しい船、いや、新しいどころか、もっとよい船になっていた。なぜなら、ツバメ号は若さをとりもどした上に、今までの記憶をそのまま持ち伝え、心の中は昔ながらのツバメ号だったからだ」四人が、蘇ったツバメ号に対して感じたことは、そのまま、この改訳版のツバメ号シリーズにもあてはまるような気がします。旧訳・新訳二つの「ツバメ号とアマゾン号」シリーズがともに神宮輝夫さんの文章で味わえるなんて、なんという贅沢〜。
読了日:05月12日 著者:アーサー・ランサム
ツバメの谷(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)ツバメの谷(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)
ツバメ号の不在、アマゾン海賊の受難が、浮き立つ気持ちを引き下ろすけれど、それでもそれでも、全力で遊び倒した幾つもの夏(のうちのひとつ)があったことが、羨ましくて羨ましくてたまらないな。
読了日:05月11日 著者:アーサー・ランサム
ム−ミンパパの思い出 (ムーミン童話全集)ム−ミンパパの思い出 (ムーミン童話全集)
これは、ムーミンパパの青春の記録です。青春期にフレドリクソンをはじめとして素敵な仲間に会えたムーミンパパはとても幸せでした。好きな場面は海の中を進む「海のオーロラ号」と次々あかりをともすさかなたち。くつしたを編む(こわーい)おばけも好きだな。
読了日:05月10日 著者:トーベ・ヤンソン
ほっとする空海の言葉ほっとする空海の言葉
空海の70の言葉を書とやさしい解説で綴った美しい本でした。密教の教えをこれだけで理解できるわけはないのですが、いくつかの言葉が心の片隅に引っ掛かっていたら、いつかふいに表に浮かびあがってくるかもしれない。きっとそれでいいんだよね、と思っています。
読了日:05月09日 著者:安元 剛,谷内 弘照
戦争と平和〈6〉 (岩波文庫)戦争と平和〈6〉 (岩波文庫)
だらだらと読んでいたこの本、やっと読み終えることができました。戦争ってなんだったのでしょうか。私には最後までわかりませんでした。とても多くの人たちが現れて、消えていったり残ったり。忘れ難い名まえが次々に思いだされる。それぞれ価値観も生き方もちがうけれど、みんな力を尽くして生きていたのだった。世代は変わり、アンドレイとリーサの息子ニコーレンカが自分の道を歩きはじめようとしています。そうして、ずっと続いていくにちがいない。
読了日:05月08日 著者:トルストイ
昼の家、夜の家 (エクス・リブリス)昼の家、夜の家 (エクス・リブリス)
死の上に根を張って不気味な夢を見る茸。茸食べたくなくなったなあ。自分らの生命力を恐れる。うんざりする。でも、同時に感動する。紙一重なんだもの。裏表なんだもの。醜悪さの向こうに見えるものと。読み終えたら、表紙の絵が、群生する茸に見えてきました。
読了日:05月07日 著者:オルガ トカルチュク
おかしな本棚おかしな本棚
本好き、といいながら、本の魅力を半分もわかっていなかったことに気が付きました。もっと自由にもっと広々とした気持ちでさらに本が好きになりそう。ページを繰りながら、本の背ばかり見てきたけれど、本を閉じたとき、この本の小口の美しさを発見しました。この本は背中だけでなく、おなかも美人だったんですね。
読了日:05月05日 著者:クラフト・エヴィング商會
ちいさなあなたへ (主婦の友はじめてブックシリーズ)ちいさなあなたへ (主婦の友はじめてブックシリーズ)
初めてこの絵本を読んだのは書店の店頭だったので、そのあと大変なことになりました。下を向いて急いで帰りました。このたび、巡り合わせでわたしのもとにこの絵本がやってきた。家で一人で読んでも、やっぱり大変なことになってしまう。
読了日:05月03日 著者:アリスン・マギー
どこ行くの、パパ?どこ行くの、パパ?
笑っていいのか、おかしいといっていいのか、困っている自分が情けない。こういうときに情けなくなってしまうことも情けない。笑いは時にブラックです。でも、笑う時、少なくても相手のことを真っ直ぐ見ている。ああ、だめだめ。わかったようなこと言ってごめんなさい。ほんとうは何もわかっていない。
読了日:05月02日 著者:ジャン=ルイ フルニエ
スリー・カップス・オブ・ティースリー・カップス・オブ・ティー
彼の武器は愚直であるということ、それから人間への敬意だろうか。心に残る言葉がたくさんあります。今なお冒険の途上にあるグレッグは、本当に大きな人だ(身長だけではなく)
読了日:05月01日 著者:グレッグ・モーテンソン,デイヴィッド・オリバー・レーリン

読書メーター