4月の読書

4月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:5049ページ

プラテーロとわたし (岩波文庫)プラテーロとわたし (岩波文庫)
手許に持っている伊藤武好・百合子訳(理論社)が大好きなので、長南実訳(岩波)どうかな、と思いながら手にとったのですが、美しくて、こちらも大好きになりました。伊藤武好・百合子訳の本には含まれていない詩も入っているし、スペインの画家バルタサル・ロボの挿絵もうれしかったです。この本が品切れだなんて本当に残念。
読了日:04月29日 著者:J.R.ヒメーネス
きつね、きつね、きつねがとおる (ポプラ社の絵本)きつね、きつね、きつねがとおる (ポプラ社の絵本)
『つくも神』以来ですものね。わあ、六年半ぶりですよ〜。 「きっと また あえるよね」 うん、うん、きっとあえる。今度は六年半も待たないうちに、できれば、もっと長いお話で、きっと、また、あえるよね、伊藤遊さん。(お願い)
読了日:04月28日 著者:伊藤遊
戦争と平和〈5〉 (岩波文庫)戦争と平和〈5〉 (岩波文庫)
モスクワでの少女救出以降のピエールが良い。今まで机上で理屈をこねまわしているだけのように感じた彼がいきなり渦の中に放り込まれたみたい。プラトンとの出会い、印象的。ピエールがアンドレイと同じことを考えながら感じ方が真逆だというのも、ナターシャとニコライがよく似ているのに生き方がまるっきり違っていることも、おもしろいものだ、と思う。一巻からずっと時間がとまったようなアンナ・シューレルのサロンとその常連はなんなのだ。いったい戦争はどこでやってるんだ? 
読了日:04月26日 著者:トルストイ
第二音楽室―School and Music第二音楽室―School and Music
彼らの音楽の物語を読んでいると、学校って、音楽(合奏)みたいだなあ、と思えてきます。音楽でなくてもいいんだ、と思う。でも、やっぱり音楽だからできることってあるんですね。どの物語のどの音も好きですが、『裸樹』の「美しい人になりたい・・・」という言葉がすごく印象に残っています。
読了日:04月25日 著者:佐藤 多佳子
眺めのいいヘマ (創元推理文庫)眺めのいいヘマ (創元推理文庫)
物語をつなぐジェーンと親友シェリイ(最強のコンビだ〜)の主婦ならではの掛け合いが楽しく、ずーっと読んでいても飽きません。もうミステリなんてどうでもいいや。(いやいや、よくない^^)
読了日:04月23日 著者:ジル・チャーチル
アライバルアライバル
表紙見返しのたくさんの人の顔、顔、顔、表情。彼らが見据えているのが、この世のさまざまな恐怖ではないだろうか、と思えてくる。この不思議な世界にたどりついた人々に残るのは恐怖の記憶。生きのびた・・・。人々に寄り添うユーモラスな動物たちは、人々が求めてやまない何かの結晶のようです。ふわふわと降ってくる明るいものに手をさしのべます。この世のささやかな喜びと希望をそっと手に受け止めるために。
読了日:04月22日 著者:ショーン・タン
土曜日はお楽しみ (岩波少年文庫)土曜日はお楽しみ (岩波少年文庫)
子どもたちの小遣い三倍ちょっと分の冒険はわくわく楽しかった。だけど、「カフィ、世の中が平和で戦争がなかったときはどんな感じだった?」ランディの問いかけに、時代を思い出します。「平和で戦争がなかったとき」がわからないなんて、ちょっとせつないな。
読了日:04月21日 著者:エリザベス・エンライト
ロンドン幽霊列車の謎 (辻馬車探偵ネッドの事件簿) (創元推理文庫)ロンドン幽霊列車の謎 (辻馬車探偵ネッドの事件簿) (創元推理文庫)
時代背景も設定も取っても魅力的なのですが、話がここまで大きくなるとは思いませんでした。せっかくの六千人の力が結集するような、なんていうのかしらね、「エーミールと探偵たち」の大人版みたいなのが読みたかったな、なんて、最後までしっかり楽しんでおいて、わがままなことを言っています。
読了日:04月18日 著者:ピーター・キング
馬を盗みに (エクス・リブリス)馬を盗みに (エクス・リブリス)
最後の一文が良いです。季節は冬にむかう。でもこの厳しさが、いっそ明るく見える静寂でした。読者としてはこの簡素な静けさのなかに置いていかれるのがうれしくもあります。深い雪の下から、夏のトウヒとコケのにおいがしてくるような気がします。
読了日:04月15日 著者:ペール ペッテルソン
欲しがりません勝つまでは (ポプラ文庫)欲しがりません勝つまでは (ポプラ文庫)
作者を戦争中を生きのびさせたのも、戦後に自分をとりもどさせたのも本だったのだろう。死ぬことを恐れない、という気持ちから、「生きたい」という渇望に変わっていくことは、まるで眠っていた木々がいっせいに芽をふくようなうれしさでした。
読了日:04月14日 著者:田辺 聖子
スイッチョねこ (フレーベルのえほん 7)スイッチョねこ (フレーベルのえほん 7)
最後には出るはずだね、どうやって出るんだろう、とそこにばかり気をとられて読んでいたので、もったいないことをしました。ゆったりと虫の合唱に耳を傾けられる今年の秋でありますように。
読了日:04月13日 著者:大佛 次郎
八日目の蝉八日目の蝉
読み終えてまた表紙を見る。タイトルも絵柄も、悲しい苦しいせつないと思いながら何度も眺め直した表紙でしたが、最後になって、地色が温かい薄紅色だということに気がつきました。
読了日:04月10日 著者:角田 光代
定本 岳物語定本 岳物語
オヤバカと椎名誠さんは言うけれど、なんてすばらしいオヤバカなんだ。だけど、子どもにとっては? 子どもにとっては当然だけど親と同じではない。本ものの「岳」さんのあとがきがよかった。「僕はこの本が嫌いでした」という言葉にほっとする。逞しい言葉のおかげでこの「岳物語」がいっそう好きになりました。
読了日:04月09日 著者:椎名 誠
戦争と平和〈4〉 (岩波文庫)戦争と平和〈4〉 (岩波文庫)
この巻で、ことに印象的だった人はマリアとアンドレイ。父の死を迎えたマリア。思わぬ時に思わぬところで仇敵と遭遇したアンドレイ。不思議なめぐりあわせのなかで、思いがけない自分の気持ちに気がつく。そして、わきあがってくるもの。人の心ってなんて不思議なのだろう。
読了日:04月06日 著者:トルストイ
桜物語桜物語
南の島の桜を日本に連れてくることはまるでその海に散った人を連れ帰るよう。「陽光」という名前の桜になって。タイワンザクラの海に眠る人々が、孫・ひ孫の代のわたしたちを見守ってくれているにちがいない。来る春ごとに花開き、続く命を喜んでくれているに違いない。
読了日:04月06日 著者:大西 伝一郎
岳物語岳物語
子どもって大きな驚きの連続なんだなあ。ずんずん大きくなる子どものエネルギーは、大人にとっては、たくさんの気づきと感動に変わっていく。続編も読まなくちゃ。
読了日:04月05日 著者:椎名 誠
ボグ・チャイルドボグ・チャイルド
アイルランド紛争のさなか、北アイルランドに住む高校生ファーガスの夏。なぜ父も母も南側に移住しなかったのだろう、と考える主人公に答えるかのように、目の前にさあっと広がる素晴らしい故郷の風景が印象的でした。
読了日:04月04日 著者:シヴォーン ダウド
にぐるまひいてにぐるまひいて
(再)委縮せず増長せず、粛々と続けていくもの。父から子へ。子から孫へ。脈々と受け継がれ・・・きっとその末端に今がある。この本一冊がまるまる祈りのようです。
読了日:04月01日 著者:ドナルド・ホール

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