- 作者: ジル・チャーチル,新谷寿美香
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/03/11
- メディア: 文庫
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彼女の恋人にして刑事のメルに言わせれば「行く先々で死体に蹴つまずく」ことになっている主婦探偵ジェーンと言ったら、
きっと知ってる人は知っている(なんたってシリーズが11作もある上、まだまだ続きそう)だろうけど、
わたしは「はじめまして」でした。
でもこの一作で彼女のことが好きになってしまった。
元気で前向きで一生懸命、好奇心旺盛。きっと何にでも首をつっこみたがるタイプなんでしょうね。
前作で知り合った(らしい)お金持ちの令嬢リビィ・サッチャーの結婚式のプランニングを引き受けたジェーン。
式の三日前に、準備のため、親友シェリイといっしょに会場となる森の狩猟小屋(と言う名の大きな別荘)に着いてみれば、
いきなり、お針子が死体となって発見される。
事故か殺人か・・・殺人ですとも、もちろん。そうでなければ、おもしろくないもの。
ぞくぞく到着する新郎新婦の親族やプランニングスタッフたちは、誰もが何かを隠しているみたいだし、
隠されたお宝の噂まで出てくるし、絶対まだ何か起こるよ〜、とわくわく。
物語をつなぐのは、ジェーンと親友シェリイの掛け合い漫才みたいな会話です。
これが最高。主婦探偵、と銘打つのはこれか。最強のコンビだ、この二人。
軽やかな会話のキャッチボール、ずーっと読んでいても飽きません。
もうミステリなんてどうでもいいや。
いやいや、よくない^^
血なまぐさいはずの殺人事件、しかも結婚式での悲劇。
だけど、探偵役二人の主婦のおかげで、軽く楽しいミステリでした。
そして、一難去ってみれば、明るい曙光がほの見えて、この先きっといいことありそう、と清々しい読後感です。