戦争と平和(一)

戦争と平和〈1〉 (岩波文庫)戦争と平和〈1〉
トルストイ
藤沼貴 訳
岩波文庫


第一部第一篇・二篇収録の一巻を一カ月かけて読了。
今年のお正月本を『戦争と平和』にします、と軽い気持ちで宣言したわたし、こんなに苦戦するとは思いませんでした。
続々と出てくる登場人物。覚えられません。
巻頭に掲げられた家系図を参照にして、ここに出ていない人はさして重要人物ではないのだろうと勝手に解釈して忘れてもいいことにしました。


おびただしい登場人物のだれを中心にして読めばいいのかわからない、というのはなんとも心もとないものだ。
ぞろり出てきた人々がまだどんな人たちなのか、つかめていません。今後少しずつわかってくるかしら・・・って、この厚いのを一冊読んでまだそんなことを言っているのでした^^


とはいえ、それなりに気になる人物は現れています。
ピエール。率直で人がよさそうだけど、性格弱そうだしねえ。お友達はみんないなくなっちゃって、大丈夫なんだろうか。
ロストフ家のナターシャの天真爛漫さはなんてかわいらしいのだろう。
ドルベツコイ公爵夫人のちまちました暗躍(?)は、あまりにあけすけで見ているだけで楽しくなっちゃう。
そして、戦地のアンドレイとニコライ。地獄のような戦場の中で、ストイックに清廉であろうとするアンドレイ。
まだまだ少年なんだなあとの思いを強くしたニコライ(一番彼の気持ちがわかるかも)
彼らはこのあと何を見るのだろう、何を体験するのだろう。
やっと、それぞれの道を歩きはじめたように見える登場人物たちです。


第一篇は、ロシア貴族たちの社交界のドンチャン騒ぎやら駆け引きやら、なんとなく浮ついて見える人間模様。
第一篇から一転して第二編は、緊張感の続く戦場。意気揚々と戦地に赴いた貴族の若君たちがはじめて体験した戦場、理想と現実のギャップが生々しいです。
第一篇と第二篇が、いってくるほど雰囲気が違うのが、大きな皮肉のように思える。でも物語は始まったばかり。


このあとまだ5巻、残っているのですよね。
今までのペースで読んでいくと読了までに半年かかる計算になってしまう。ううん、読み切れるのかな。早くも挫折しそうな気配が濃厚なのです〜。
力づくで二巻に進みます^^